安全運転は確かな視界の確保から! 撥水剤を塗ればいいってわけじゃない!? 雨の日ドライブでクリアなフロントウインドウを得るためのふたつの鉄則

ガラス撥水剤の塗り重ねはロスが多い。再塗布時は旧塗膜を一度剥がし、完全リセットを起点に行なうのが、よい状態をキープするコツでもある。
ガラス撥水剤を常用してはいるのに今ひとつその効果に満足できない人は施工方法を見直してみよう! 良い製品も使い方によってはその効果を十分に発揮できない場合もあるのだ。

汚れが残っていては、いくら塗ってもパフォーマンスダウン

向かって左側が正規の手順を守って施工した場合の比較写真。水滴状態に留まって残らず、コロコロと転がり落ちるのが正しいの効果だ。

昔からあるフロントウインドウの窓ガラス撥水剤といえば、すでに説明も不要で常用している人も多いだろう。ただ、満足しているかと言われれば意外や意外、首をかしげる人も多い。
曰く、施工後もクリアとはいえずにムラが残っていたり、あるいはすぐに撥水効果がなくなってしまったり、はたまた施工前より見づらくなったなんて話まで聞かれる。

そんな悩みの原因は、製品ではなく実は作業方法にあるかもしれない。
今や手も汚れずにスピーディに施工できるものが多いため、効果が薄れたら塗り重ねて終了! というケースも多いようだが、時と場合によっては完全にリセットが必要ということも知っておきたい。

元の汚れが残った状態で塗り重ねれば、その汚れは積み重なって残ってしまう。塗布した液剤によって定着した汚れも一緒にコーティングされるため、頑固な汚れになって落ちにくくなる場合も多い。
その結果、視界のムラにもつながるし、撥水効果の定着にも支障が生じるのだ。

完全リセットをスタートに、完全乾燥をゴールに!

車内側から見た写真。こちらは向かって右側が正規施工後だ。ムラなく、水滴付着そのものを減らせるのがガラス撥水の利点とも言える。

また、撥水効果が薄れたからといって、それまでのコート剤が丸々剝がれているわけではない。部分的な剥離は起きても、ワイパーが掛かりにくい場所などは残り、ここも時間が経てば劣化被膜として汚れにつながっていく。

だからこそ、毎回は大変でも、一定期間での表面リセットはやはり必須。期待した通りのクリアさが得られない場合は、コンパウンド掛けによるゼロリセットを行なってみてはどうだろう。
きっちりとコンパウンドが掛かると、ガラス表面はほぼ親水状態になる。多少でも油膜や古いコート剤が残っていればそこだけは油効果で撥水状態になるので、作業効果もわかりやすい。
逆に言うと、乗り重ねただけの施工では、元々ムラが出やすい状態からスタートしているわけで、いくら丁寧に作業しようとも効果の程は知れている。

さらに言えば、コート剤の塗布後、きっちり乾燥させる点も作業の質を上げるコツだ。不十分だと、定着が未熟で剝がれやすく、部分的に残ればこれもまたムラにつながってしまうのだ。

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