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汚れが残っていては、いくら塗ってもパフォーマンスダウン

昔からあるフロントウインドウの窓ガラス撥水剤といえば、すでに説明も不要で常用している人も多いだろう。ただ、満足しているかと言われれば意外や意外、首をかしげる人も多い。
曰く、施工後もクリアとはいえずにムラが残っていたり、あるいはすぐに撥水効果がなくなってしまったり、はたまた施工前より見づらくなったなんて話まで聞かれる。
そんな悩みの原因は、製品ではなく実は作業方法にあるかもしれない。
今や手も汚れずにスピーディに施工できるものが多いため、効果が薄れたら塗り重ねて終了! というケースも多いようだが、時と場合によっては完全にリセットが必要ということも知っておきたい。
元の汚れが残った状態で塗り重ねれば、その汚れは積み重なって残ってしまう。塗布した液剤によって定着した汚れも一緒にコーティングされるため、頑固な汚れになって落ちにくくなる場合も多い。
その結果、視界のムラにもつながるし、撥水効果の定着にも支障が生じるのだ。
完全リセットをスタートに、完全乾燥をゴールに!

また、撥水効果が薄れたからといって、それまでのコート剤が丸々剝がれているわけではない。部分的な剥離は起きても、ワイパーが掛かりにくい場所などは残り、ここも時間が経てば劣化被膜として汚れにつながっていく。
だからこそ、毎回は大変でも、一定期間での表面リセットはやはり必須。期待した通りのクリアさが得られない場合は、コンパウンド掛けによるゼロリセットを行なってみてはどうだろう。
きっちりとコンパウンドが掛かると、ガラス表面はほぼ親水状態になる。多少でも油膜や古いコート剤が残っていればそこだけは油効果で撥水状態になるので、作業効果もわかりやすい。
逆に言うと、乗り重ねただけの施工では、元々ムラが出やすい状態からスタートしているわけで、いくら丁寧に作業しようとも効果の程は知れている。
さらに言えば、コート剤の塗布後、きっちり乾燥させる点も作業の質を上げるコツだ。不十分だと、定着が未熟で剝がれやすく、部分的に残ればこれもまたムラにつながってしまうのだ。