CRSのハイエースは、タウンユースを意識したストリート仕様【1BOX公道インプレッション #001】

「走りの質が違う!」レーシングドライバー・谷口氏が、MCB搭載のハイエースを公道インプレッション

10月某日、ビデオオプションのYouTube企画として京都の嵐山高雄パークウェイにて開催されたタイムアタックPV撮影会。実はそれと併催のカタチで、ハイエース&キャラバンのワインディングインプレッションも実施されていた。エントリーしたのはCRSとKW、ボディラインという有力3メーカー。それぞれがコンセプト、味付けの異なるデモカーを持ち寄って、実際にチューニングを施したワンボックスで峠を走ったらどんなフィーリングを得られるのかを検証する貴重な場。今回はプロレーシングドライバーの谷口信輝氏、飯田章氏、ラーマン山田氏(以下、文中敬称略)の3名が運転席、助手席に乗り込み、弱点とされるハコ車の乗り心地をインプレッションしてくれた。

ボディの歪みを吸収するMCBの実力と効果を体感

まずはCRSがチューニングした、市販製品のみを装着した誰もが再現できる街乗り意識のハイエースからインプレッション。この一台、走りの鍵を握るのは、走行中のボディの歪みや振動を吸収し、ハイエースの乗り心地を改善してくれるMCB(モーションコントロールビーム)だ。これを今回はまずフロント、リアの2ヵ所に装着して試乗。さらにその後、新発売となったセンターにもMCBを追加し、再びインプレッションを実施して違いを体感してもらった。

運転席には谷口、助手席には山田が乗り込む。試乗前からMCBに興味を示していた山田は走り始めてすぐに「レスポンス感があるね〜」と感心。谷口も「MCBが付いていない状態を知らないけれど、収まりがまったく違う気がする。運動性能とかじゃなくて、ハコがしなるとかクルマの先がバタつくところをビームが橋渡ししてくれて、フィーリングが向上しているというか。乗り心地も硬くなく柔らかくなく、ちょうどいい」と高評価。山道でも曲がるのにストレスがなく、一般的に気持ち良く走れるかどうかという点では非常に良かったと感じられたそうだ。

そしてセンターのMCBを追加装着し、二度目のインプレッションへ。ステアリングを握った谷口は「気のせいかもだけど、なんか変わった気がする。質が。言葉に表わせないけれど、ボディ剛性が上がったような。正直、バカ変わったってほどじゃないけれど、微振動が減ったのかな、前後だけの時よりもちょっと上質になった気がします」と評価。山田も「横に乗っていて、ボディの剛性感みたいなものが変わったのかな、フィーリングが変わったのは若干、体感できたのかな。例えばノーマルからこの状態に変化すれば、誰にでも分かりやすかったかなと思うけれど、速いコーナーも比較的スムーズ感があるし、いいですね」。

フロントとリアにMCBを装着していた状態では、レスポンス感や質感に変化が生まれ、そこへセンターを追加するとボディの剛性感や上質感がアップしたように感じたという結果に。谷口は「前後のみとそこに真ん中を足したときの差は、どう表現していいのかわからないけれど、上質になった、ワンランク、グレードが上がったねという感覚。この走り、知らないなら知らないままでいいけれど、知っちゃうとね」と評してくれた。 

3インチローダウンでも快適な乗り味を実現

極力低くすることをコンセプトに、17インチのLTタイヤと3インチのローダウンブロック、玄武のバンプ類などでストリート仕様に仕立て上げたCRSのハイエース。誰でもそのスタイルを再現できるよう、既製品のみを使ったコーディネートとしているのもこだわりで、さらに街中を気持ち良く走れるように、走りのブラッシュアップが図られているのが特徴だ。

足まわりはCRSのオリジナルショックアブソーバーで、減衰力は14段調整式。信頼度の高いKYB製で、より細かなシチュエーションに対応できるのが魅力だ。摩擦式ダンパーを採用したMCBはボディのねじれやロールを抑える効果を発揮するため、カーブで身体が振られたりといったハコ車特有の弱点を解消するのにピッタリ。走行中の振動も明らかに少なくなり、高速道路の接ぎ目などでは特に効果を体感しやすいから必見だ。

さらにデモカーではエセックスのフロントリップやバッドフェイスボンネット、リーガルフェンダーなどでスタイリングも向上。懐かしさとイマドキ感が同居したホイール&タイヤのコーデ術など、参考となる点は数多い。スタイリッシュに魅せて、気持ち良く快適に走れる理想的な一台に仕上がっている。 

Specifications
■ベース車両:#200ハイエース(1GD)
■タイヤ:ファルケン・W11 (215/60 R17)
■ホイール:エセックス・ENCS-17 (17×8.5J+38)
■エクステリア:エセックス・フロントリップスポイラーVer.IV & バッドパネル &リーガルフェンダー
Ver.II ダウンレスフォルム
■ダンパー:CRS・14段調整式ショックアブソーバー
■ローダウンブロック:エセックス・3インチダウンブロック
■その他:CRS・MCB(モーションコントロールビーム)フロント&センター&リア

▷試乗動画は下記YouTubeでチェック!

1BOX公道インプレッション まとめはこちら

STYLEWAGON(スタイルワゴン)2024年12月号より

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

ハイエースが乗用車並みに静かに! 「快適車中泊パッケージ」は乗り心地もアップするコンプリートプラン

アウトドアとハイエースは切っても切り離せない関係。 広々とした荷室は、車中泊やキャンピングにも最適だし、 リフトアップカスタムでアウトドアな雰囲気を楽しめるパーツも豊富だ。 そこで200系ハイエースの最新アウトドア&キャンピング仕様を集めてみました。 これからのシーズン、外に飛び出したくなること間違いなし!

「ディーゼルのハイエースで700km走れて感動です!」低燃費でパワフル! ECUチューンって一体なに?

ベースが商用車というキャラクターから、純正はお世辞にもいいとはいえない乗り味のハイエース。しかし、それら丁寧に解消していけば、見違えるほどの乗り味に生まれ変わる。早速、サスペンションを中心とした、ハイエースを気持ちよく走らせるためのチューンアップ最新事情にクローズアップ!

マイナー後の新型キャラバン、もしかしてハイエースよりワイルドになれるんじゃない?

今、働くクルマとして、趣味グルマとして注目度が急上昇中のニッサン・E26キャラバン。1BOXならではのボクシーなフォルムと精悍さ溢れるフェイスに、広大な室内空間とくればカスタム映えが約束されたようなもの! 見た目重視や車中泊系、そしてお仕事系と、幅広いニーズにハマる最新のキャラバンカスタムの数々をお届け!

キーワードで検索する

著者プロフィール

stylewagon 近影

stylewagon