アクセルを踏み込むほどその違いがわかる! 日産・エクストレイルに新採用されたe-4ORCEが最強だった!

【日産・エクストレイル】VCターボとeパワーの組み合わせが絶妙すぎる!  ハイブリッド車では随一の電動感が味わえます!|新車レビュー

2000年に初代がデビューしたエクストレイルも、今回のT33型で第4世代目。ハイブリッド(e-POWER)専用車として生まれ変わり、低炭素社会を目指すSUVとして、ライバルをリードする存在となった。そんなエクストレイルに試乗してきた。

驚くほどスムーズな走りを堪能!

ボディサイズの変更はわずかにとどまり、全長は30㎜、全高は20㎜縮小したが、全幅は1840㎜と20㎜広くなった。全高の低下に合わせて、後席ヒップポイントは40㎜、ラゲッジフロアは30㎜下げられており、居住性やラゲッジルーム容量は微妙に改善。後席を折りたたんだ際の段差もなくなり(全体に傾斜は残るが)、ラゲッジルームの使い勝手は向上している。

新型エクストレイルのアピールポイントは"上質感"。もともと道具感がウリだったエクストレイルだが、SUVの大衆化によって、所有欲を満足させる上質なインテリアや室内の静粛性、快適な乗り心地などが求められるようになったからだ。

ダッシュパネルやアームレストはステッチ入りの合皮貼りとなり、最上級グレードの「G」には、シートともども"テーラーフィット"という表皮を標準装備。合皮のシボを人の指紋のピッチに近づけて滑らか感を演出し、トップコートにマイクロビーズを埋め込むことで、しっとり感も両立させた新素材だ。さらにオプションでは、抗菌ナッパレザーも用意されるようになった。

静粛性に対しては、吸遮音材とボディの固有値チューニングの両面から対策を施している。ダッシュインシュレーターは穴面積を極限まで減らし、吸音層の厚みを増すことで、エンジン稼働時の騒音を抑制。リアボディまわりは剛性を高め、固有振動数をロードノイズより高く設定することで、ボディを伝達してくるザラビリ感の払拭を図った。バックドア開口部には構造用接着剤も使用されており、振動伝達抑制とスタビリティの向上を図っている。

メカ的な注目点は、1.5L直列3気筒のVCターボエンジン。VCとはバリアブル・コンプレッションレシオの頭文字で、圧縮比を8から14まで連続的に変えることができる。圧縮比は高いほど燃費は良くなるが、パワーを出そうとするとノッキングが邪魔をするため、必要に応じて圧縮比を下げ、ターボで過給してパワーを引き出すというコンセプトだ。仕組みを言葉で分かりやすく説明するのは難しいので、"VCターボ"で検索し、日産のサイトで動画を観てほしい。

そんなエクストレイルに試乗すると、「時代がひとつ進んだ」ことが実感できる。モーターで発進した後は、必要に応じてエンジンがかかるが、稼働/停止のショックはないし、普通に走っている範囲では、かかっていることすら分からない。ライバルにハイブリッドは数あれど、電動感はエクストレイルが随一だ。

しかもアクセルを深めに踏み込むと、爽快なエンジン音が聞こえてくる。エンジン回転の上がりかたもリニアなので、"ラバーバンド感"も感じない。その気になれば、エンジンサウンドを楽しみながらワインディングロードを楽しむこともできそうだ。

【NISSAN・X-TRAIL(日産エクストレイル)】

EXTERIOR

POWER TRAIN

INTERIOR

VCターボによるe-POWER

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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