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自動ブレーキシステム装備車にも対応 日立化成の銅フリー摩擦材がフォード・フュージョンに採用

  • 2017/08/22
  • Motor Fan illustrated編集部
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銅フリー摩擦材が採用されたフォード・モーターの「フュージョン」

日立化成は、銅の含有量を0.5%未満に抑えた「銅フリー摩擦材」をフォード・モーターのセダン「フュージョン」に正式採用されたと発表した。

環境負荷低減を目的に摩擦材の銅使用規制が導入される米国では、2021年以降には銅含有量5%以上、25年以降は同0.5%以上の摩擦材の販売や新車装着の禁止が予定されている。今後、欧州などに広がる可能性もあり、摩擦材メーカーでは従来の主要材料のひとつであった銅の含有量を抑えた摩擦材のブレーキパッドの開発に注力している。

そこで日立化成では、NAO(ノンアスベストオーガニック)材をベースに、25年規制に対応するべく銅含有量を0.5%未満に抑えた「銅フリー摩擦材」を2015年に開発。NAO材は、ブレーキ鳴きやダストが少ないといった利点がある半面、ロースチール材に比べて制動性能が確保しにくい。そのため巡航速度の高い地域や車両にはロースチール材を使用されるケースが多いが、日立化成はブレーキを繰り返しかけることで、摩擦材が高温になった時に発生する摩耗粉の銅含有量が低減しながら、銅を含有する摩擦材と同等レベルの性能を銅フリー摩擦材で実現したという。

また、銅フリー摩擦材は、降雨・降雪などにともない路面状態や走行速度が変わった場合の摩擦係数の変動幅が小さいことや耐フェード性に優れることから、ブレーキをかけるタイミングや停止のタイミングを摩擦係数などから計算し、制御する自動ブレーキシステムにも搭載可能している。

さらに、NAO材にフェノール樹脂、有機繊維など複数の素材を組み合わせることで、ブレーキのON/OFF時に発生する鳴きの低減に貢献。走行音が静かな電気自動車への搭載も期待される。

日立化成は、日本をはじめ、中国、タイ、メキシコでの摩擦材の生産・供給体制をすでに整えている。このフュージョンの採用を皮切りに、今後需要が増える「銅フリー摩擦材」をはじめ、摩擦材事業の一層の強化、シェア拡大に向けて鼻息が荒い。

※車業界では米国環境保護庁が発表した銅使用規制に対応した、銅含有量を0.5%未満に抑えた摩擦材を銅フリ
ー摩擦材という。
※NAO(Non Asbestos Organic)材は、スチール繊維・アスベスト(石綿)を含まない材料のこと。

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