パナソニック:認証機能を強化したHD-PLC(*1)技術が国際標準規格(IEEE 1901b)として認定

パナソニックは、同社が提唱するHD-PLC技術にIEEE 802.1X*2認証の仕組みを導入した技術を2020年11月にIEEE標準化協会に提案し、この度、本技術が2021年12月8日に開催された同協会の理事会にて、国際標準規格IEEE 1901bとして承認された。本規格は、スマートグリッドやスマートシティなどの大規模IoTネットワークにおける高度なセキュリティ要件に対応することができる。

 IEEE 1901bは、現行のIEEE 1901-2020*3に企業内の有線LANや無線LANで採用されている認証規格の一つであるIEEE 802.1Xの仕組みを導入することで、強固なネットワークセキュリティを実現する。

 IEEE 1901規格として採用されているパナソニックのHD-PLC技術は、データを中継するマルチホップ技術と信号の通りやすい帯域にエネルギーを集中させる通信距離の拡張技術により、電力網におけるAMI*4システムやビル・工場における分散型エネルギーリソースの管理など、社会インフラを構築する大規模ネットワークへの活用が期待されている。当技術はAES*5方式によるデータの暗号化や暗号鍵の更新、伝送路推定*6などの機能により、機器間の通信においては既に高度なセキュリティを有している。この度、ネットワーク認証の仕組みを導入することで、第三者による不正侵入によって生じる情報資産の盗聴や改ざんなど、ネットワークに潜むさまざまな脅威への対策を強化し、安全・安心なIoT通信基盤技術としての役割を果たす。

 パナソニックは、IoT向け次世代HD-PLC技術の国際標準化をリードし、2019年3月にIEEE 1901aとして認定され、2021年3月にはIEEE 1901-2020に準拠した半導体IPコアのライセンス供与を開始した。本規格に準拠した技術の開発とライセンス供与を行い、さらなるHD-PLC技術の進化を図っていく。また、電力線に限らず、同軸線や制御線などのさまざまなメタル線を活用し、設置の環境に応じて無線や他の有線技術と融合したネットワークを構築することで、住空間から社会インフラまでの幅広い分野におけるIoT/DX/GX化に貢献していく。

*1:HD-PLCはパナソニックが提唱する高速電力線通信方式の名称で、日本及びその他の国での登録商標もしくは商標。PLCはPower Line Communicationの略称。
*2:IEEE標準化協会(※)により策定された、ネットワーク(LAN)内のユーザー認証の方式を定めた規格。
※米国電気電子学会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)傘下の通信規格に関する標準化委員会。
*3:2010年に発行された初版のIEEE 1901-2010規格に対して、IEEE 1901a(※)を統合した規格。2021年1月にIEEE標準化協会より認定。
参照先:http://standards.ieee.org/standard/1901-2020.html
※当社が提唱するIoT向け次世代PLC技術の国際標準規格。通信の高速化と長距離化を切り替える機能を持つ、スケーラブルな通信が特長。
*4:Advanced Metering Infrastructureの略称。スマートメーターやそのデータ収集機器により構成される自動検針システム。
*5:Advanced Encryption Standardの略称。米国標準技術局(NIST)により米国政府標準の暗号方式として採用された共通鍵暗号方式の一つ。
*6:HD-PLCでは伝送路推定によって作成されるトーンマップ(※)を端末間で共有し、OFDMのサブキャリアごとに最適な変調度を設定し通信を行う。トーンマップは伝送路ごとに異なるため、ネットワーク内の盗聴が困難となる。
※ OFDM方式における各サブキャリアの変調度を表すマップ。

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