マグナ:フィスカー・オーシャンがICONデジタルレーダーを採用

Magna InternationalのICONレーダーが、来年発売のフィスカー・オーシャンで市場デビューする。運転支援技術でのデジタルレーダー採用は、これが業界初。この新しいデジタルレーダーは、周辺環境の“把握”する能力に優れ、暗いトンネル内で停止しているクルマや最大150メートル先の歩行者まで、潜在的な危険を検知する。

「ICONデジタルレーダーは、既存のアナログレーダーと比較して、画期的に性能が改善されており、車載レーダー仕様で未だかつてない次元に達しています」とマグナインターナショナルの技術・投資担当上級バイスプレジデントであるBoris Shulkin氏は言う。また「家電や携帯業界で使用される飛躍的進歩を遂げた他のデジタル技術に似て、デジタルレーダーは、現在、そして未来の道路の安全という観点からのレーダー技術の役割に対する私たちの考え方を変える技術です」としている。

 マグナとテキサス州に拠点を置くUhnder(ウンダー)が共同開発したこの技術は、4次元で全周辺環境を継続的にスキャニングし、アナログレーダーに比べて、より高解像度且つより優れたコントラストで周辺環境を検知できる。結果として、ICONレーダーは、動いている物体も静止している物体も、物体の大小や物体とクルマの距離にかかわらず検知する能力がある。

 さらに、ICONレーダーは、既存のアナログレーダー使用時に懸念点となる干渉の問題も排除する。各デジタルレーダーには、送信する信号に数千億の固有のコードが埋め込まれているため、相互干渉の悪影響を最小限に抑えることができる。事実上、世界で使用されるレーダーが同じコードを持つことはない。

 ウンダーのCEOであり創設者のひとりであるManju Hegde氏は「マグナのようなお客様がレーダーセンサーからより正確な情報を取得できるように、デジタルレーダーシステムへのパラダイムシフトを行う時期が来たと考えています。これにより、より多くの命を救うために高度なアルゴリズムを開発できます」とコメントしている。

 ICONレーダーは、今日の主要な業界の課題に対処し、将来のより高いレベルの自律性への道を開く。車両と歩行者の検出に加えて、混雑した複数車線の道路上に落ちている高さのない物体や空いているレーンを識別できる。

 先週発表したVeoneerの買収への合意は、マグナのレーダーポートフォリオをさらに強化する。Veoneerの10年以上のプログラム実行経験と、4,000万を超えるレーダーセンサーの製造経験がマグナの能力強化に繋がる。また、ICONレーダーは、マグナが提供しなければならないADASセンサーソリューションの完全なポートフォリオの一部であり、自動車メーカーにADAS技術を車両に導入するための完全なシステムアプローチを提供する。

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