ダイハツの軽自動車用4気筒エンジン[JB-DET]コペン搭載を最後に姿を消す[内燃機関超基礎講座]

すでに全数が3気筒化した軽自動車用エンジン。しかしかつては4気筒660ccというエンジンも活躍していた。ダイハツのJB-DET型の構造を紹介しよう。

1994年に登場したダイハツ初の軽自動車用4気筒エンジン、JBシリーズ。これを基とするターボ仕様がJB-DETで、先代コペンが搭載したのを最後に姿を消した。ストロークはわずか56.4mm。エンジンブロックは鋳鉄製で、組み合わされるオイルパンはプレス鋼板製となっている。

カムシャフトの駆動にチェーンが用いられているが、これは1994年からすでに採用されていたもので、当時としては極めて先進的な設計であった。ピッチはもちろん、小型の6.35mmサイレントタイプ。バルブ挾み角は26.6度と燃焼室をコンパクトに収め、ストレートポート構造で吸気流速を高める。バルブ径は吸気22mm/排気18.5mm。なお、コペン用では調整シムを除くことでバルブリフト量を稼いでいた。

タービンにはIHI製のRHF-3を採用。これは、4気筒の排気干渉というネガを消すためにツインスクロール式である。当然、マニフォールドも「デュアルフロー」の1番4番/2番3番の2系統とされた。他機種のJB-DETに対してコペン用ではさらに低速トルクの増大を図り、タービン翼枚数を9枚に増やすとともに形状を変更、タービン径は36mmと変えなかったが、入口径を絞ったハウジング設計とした。仕事側のコンプレッサー側はさらに手が加わり、タービン径37mmの寸法はそのままに、こちらも翼数を8とするとともにダブル化、加えてハウジングとのクリアランスを極力詰めることを目的にアブレーダブルシール(接触しても問題のない樹脂製)を備えることで充てん効率を7%も向上することに成功している。

■ JB-DET
シリンダー配列 直列4気筒
排気量 659cc
内径×行程 61.0×56.4mm
圧縮比 8.2
最高出力 47kW/6000rpm
最大トルク 110Nm/3200rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
ブロック材 鋳鉄
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 直打
燃料噴射方式 PFI
VVT/VVL ×/×

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