住友化学:暑くならないポリカ、世界最大級のタッチパネルセンサー[人とくるまのテクノロジー展 2022 NAGOYA]

波長を選んで透過するポリカーボネートの使い方を、住友化学が提案している。2態をご紹介しよう。

毎日うんざりするほどの酷暑に見舞われる日本列島。そんなときだからこそ「日差しを吸収して、車内の温度上昇を抑制」というキャッチはいかにも有効だ。

住化ポリカーボネートが開発した熱線吸収ポリカーボネート・SDポリカHAシリーズは、ポリカーボネート内に近赤外領域の波長エネルギーを吸収する物質を練り込んだ構造。これを含めたものは、従来可視光透過率やHaze(透明度)に劣るのが悩みだったが、本開発品ではこれらの性能を高めることに成功した。具体的には、一般的なポリカーボネートの可視光透過率89.9%/Haze0.4%に対して、開発品では77.9%/0.7%を実現した。

手をかざしてみると、一般品の熱の伝わり具合に対して、開発品は熱くない。ではその熱はどこにいったのかというと、ポリカーボネート自体が蓄熱している。実際、表面は開発品のほうが温かく感じる。

透過率の数値からすると、フロントウィンドウやサイドグラスへの適用には課題が残るものの、たとえばルーフグラスやバックウインドウへの適用には期待ができそう。吸収物質を多く含めばそれだけ吸熱性能は上がり断熱性が高まるが、透過率と透明度に難が出てくるという。なお、すでに電動ゴルフカートのルーフへの採用実績がある。

用途は異なるものの、波長選択性を生かしたのが「センサー用波長選択性ポリカーボネート・SDポリカPHシリーズ」。これまで近赤外波長以上のみを透過する性質としていたポリカーボネートについて、さらに波長を選択して透過するようにした製品。
車載用ワイドタッチセンサーの提案モデル。本品は残念ながらモックだったが、住友化学はこのサイズでのタッチセンサーの提供が可能だという。静電容量型であることからグローブ越しでも操作が可能。フィルム状であることから、曲面に追従できることも美点のひとつ。

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