OKI、AIによる配送計画最適化サービス「LocoMoses」の販売を開始。熟練社員に属人化していた作業の負担を解消

「LocoMoses」による配送のイメージ
OKIは物流分野におけるルート配送の配送計画を、AIによって最適化する配送計画最適化サービス「LocoMoses」(ロコモーゼ)の販売を開始することを発表した。本サービスは、OKIが開発した「コスト最小型ルート配送最適化AI ※1」を用いて最適な積載量やルートを短時間で自動的に立案できるSaaS型のサービスとなっている。

OKIは、物流分野におけるルート配送の配送計画をAIによって最適化する配送計画最適化サービス「LocoMoses」(ロコモーゼ)の販売を開始し、これまで熟練社員に属人化していた配送計画作業の負担解消に加え、「分割配送」の手法を取り入れた高効率なルート配送の実現を図っている。サービスは、まず2023年5月1日より、共創パートナーであるロンコ・ジャパンが販売する配車システム「ラーク」に組み込んで提供を開始し、2027年度までに売上2億円が目指される。

物流業界においては、2024年問題※3を含めたさまざまな課題を抱えている。特に、配送計画の立案業務が一部の経験ある熟練社員に依存しており、属人化が大きな問題の1つとなっているまた、燃料費の高騰やドライバー不足、さらにはCO2排出量抑制といった背景からも、より効率の高い配送計画の立案が求められている。

OKIはこの課題に対応するため、2020年よりロンコ・ジャパンとの共創を開始。熟練社員の技能を取り入れつつ配送にかかるコストを最小化する「コスト最小型ルート配送最適化AI」を開発して、ロンコ・ジャパンの配送現場で実運用環境下での実験を繰り返し行うなど、OKIのイノベーションマネジメントシステム「Yume Pro」に基づく商品化のプロセスを進めてきた。

今回、商品化された「LocoMoses」は、AI技術に熟練社員の現場での経験を取り入れることで、誰でも最適な配送計画を作成することができる。さらに、AI技術により積載率を高め効率的な配送を実現する「分割配送」や、高速道路利用の判断ルールの設定と指示、渋滞や通行規制といった配送リスクが高いルートへの配慮などが実現されている。

分解配送のイメージ

■LocoMosesの特徴

  • 効率的な配送手法である「分割配送」を取り入れた配送計画の立案が可能。
  • 高速道路の利用は、顧客ごとにルール設定が可能。
  • 道路封鎖などの配送リスクの恐れが高いルートをあらかじめ除外することが可能。

LocoMosesの販売計画

  • 提供価格:個別見積もり
  • 販売開始:2023年5月1日
  • 販売目標:2億円(~2027年度)

※1 コスト最小型ルート配送最適化AI:高効率な配送形態である「分割配送」をもとに構築したOKI独自のAI手法。

※2 分割配送:1つの配送先に対して複数回の納品を行う配送方式。

※3 2024年問題:2024年4月1日から施行される働き方改革関連法に伴い、ドライバーの時間外労働の上限規制強化により、一人あたりの走行距離が短くなり、長距離運搬などに影響が起こりうる問題。

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