三菱重工、ヒートポンプ加温機能付き電動式輸送用冷凍ユニットを国産EVトラック向けに開発

ヒートポンプ加温機能付き電動式輸送用冷凍ユニット「TEJ35AM」
三菱重工グループの三菱重工サーマルシステムズは、電気自動車(EV)専用のヒートポンプ加温機能付き電動式輸送用冷凍ユニット「TEJ35AM」を新たに開発、国内自動車メーカーの量産型EVトラック向け販売を開始した。従来の輸送冷凍機が車両のエンジンや冷凍機専用のエンジンを動力源とするのに対し、TEJ35AMはEVからの電力供給のみで運転が可能となっている。

TEJ35AMは、大気中の熱を利用して加温運転するヒートポンプシステムの採用で加温運転と冷却運転を同時に行なえる。そのため外気温が低い時には加温運転で積荷の凍結を防止、逆に高い時には冷却運転で食品などの品質劣化を防止できる。また荷物の量や中身に応じて適切な温度を複数設定できるマルチシステムにより、コンビニエンスストアなどの複数温度製品の同時輸送といった多様な輸送形態への対応も可能。さらに走行中、停止中、充電中のいずれの状況でも冷凍機を運転可能であり、安定した輸送庫内温度を常に維持し安全な食品輸送を実現する。

高効率なヒートポンプシステムの採用により、消費電力を抑え排出CO2削減と省エネを実現するTEJ35AMはカーボンニュートラル社会の実現を目指してEVトラックの開発を進める自動車メーカー各社のニーズに応える製品となる。今後は多様な電力源との組み合わせが可能な点も生かし、政府のグリーン成長戦略においても普及目標が示されたEVトラックへの搭載を進めていく予定だ。

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