シェフラーが「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」への出展を発表

自動車および産業機械分野における世界的サプライヤーであるシェフラーは5月24日から26日にかけて開催される「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」(ブース番号 96)に出展し、電動化、CO2削減、小型化、軽量化などに寄与するコンポーネントおよびシステムを展示する。

電動モビリティ向けトータルシステム

当展示会でシェフラーは電動モビリティやベアリング、トランスミッション&エンジンシステム、シャシーポートフォリオ、インダストリアルオートメーション、オートモーティブアフターマーケットなどの分野を中心に、最新の技術を含めた20点以上の製品を展示する。そのうちの12点は日本初披露だ。

シェフラーは電動モビリティの実現を全力で推進させている。電動モビリティ戦略の一環として、すでに複数の電動アクスル駆動が量産化されている。その1つが、モーター、トランスミッション、パワーエレクトロニクス、そしてサーマルマネージメントの4つの独立したサブシステムを1つのシステムに統合した「4in1電動アクスル」。統合したサーマルマネージメントシステムが車両の冷却回路を効率的に制御し、インテリジェントヒートポンプシステムと高効率モータの活用で効果的な廃熱回収を実現する。4in1電動アクスルは低温時の航続距離を飛躍的に伸長し、車両スペースや組付け工数の大幅な削減にも貢献、車両への取り付けも容易にする。

CO2削減効果に優れたパワートレインソリューション

システム全体に対する豊富な知識と経験を活用し、シェフラーはCO2削減効果に優れたパワートレインソリューションを提供している。今回の展示会では、電動カムフェイジングシステム(吸排気)および排気バルブ休止用e-Rockerシステムを採用し、減速オーバーラン時のエンジンドラッグトルクの半減化でMHEV(マイルドハイブリッド)のメリットを最大限引き出した最新世代のBMW B58エンジンが展示される。

会場では乗用車向けにとどまらず、燃料消費量の大きいHeavy Duty(大型商用)エンジン向けのCO2削減ソリューションも紹介される。転がり軸受やカムプロファイル切り替え式ロッカーアーム、フル可変バルブトレイン(iFlexAirシステム)などを使用したバルブトレインのフリクション低減など、エンジン効率を向上させる様々な技術が紹介される。

革新的ベアリングによる電動パワートレインおよびシャシーシステムの高効率化

CO2削減効果に優れたパワートレインソリューションの他、シェフラーは電動化や自動化が進むモビリティのニーズに合わせ、自社のベアリング技術を更に進化させている。今回注目の展示の1つが、3列玉軸受を採用したTriFinityホイール軸受で、フリクションを最大34%削減する効果を発揮する。また、剛性の強化により車両の操作性を向上させ、優れたロバスト性で軸受の長寿命化も達成する。また、低ノイズでメンテナンスフリー、そして軽量化のための最適設計が施されている。

サステナブルなモビリティに貢献する包括的アフターマーケットソリューション

4in1電動アクスル駆動をはじめとするトータルシステムの開発だけでなく、シェフラーは従来通り電動およびハイブリッド自動車向けの部品やサブシステムを大手自動車メーカー各社に提供している。こうしたOEM製造で培った電動駆動の知見を独立系アフターマーケット分野にも生かし、拡大するハイブリッドおよび電動部品等の修理ニーズに応える体制を整備している。

展示会では、FAGブランドのフェイススプライン付ホイール軸受の修理ソリューションが披露される。軽量化、簡単な取り付け、サービス寿命の伸長、動力性能向上がメリットとなる革新的なフェイススプライン付ホイール軸受は、日本のアフターマーケットの顧客に向けて、様々な世代のホイール軸受に適合するサービスソリューションとなる。

自動車部門の持続的な進化に貢献する革新的メンテナンスソリューション

シェフラーの状態監視ソリューションは、顧客の保守管理チームやプラントマネージャーのニーズに配慮して設計されており、メンテナンス作業をシンプル化し、機器の稼働状況に合わせた課題解決に貢献する。会場ではシェフラーが20年以上に渡る振動診断の知識と経験を活かして開発した状態監視ソリューションの数々を展示し、設備の複雑さや機器の種類を問わず、異常停止を最小限にとどめ、最適な状態で稼働させる技術が紹介される。

水素技術でモビリティの未来を拓く

シェフラーは水素を自動車および産業機械アプリケーションにおける重要な未来のエネルギーキャリアになることを考えている。水電解装置と燃料電池の開発と製造で分野横断的な連携を進めるシェフラーは、燃料電池スタック向けバイポーラプレートを提供している。当製品の量産化を効率的に進めるため、シェフラーはフォルシアとミシュランの水素製造合弁会社Symbioと提携し、合弁会社Innoplateを設立している。製品の性能向上と生産能力の増強、経済性の改善を進め、2024年の年明けから量産を開始する予定。

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