~RA6M5搭載評価キットがmicro-ROSのオフィシャルボードに~

ルネサス:eProsimaと共同で、ロボット開発用フレームワークのmicro-ROSをRAマイコンに実装、産業およびIoT分野でのロボット導入を促進

ルネサスと、ミドルウェア・ソリューションに特化したSME企業であるeProsimaは、今回、共同でルネサスのRAマイコン用評価キット「EK-RA6M5」が、micro-ROSのオフィシャルハードウェアプラットフォームとなったことを発表した。

 ROS(Robot Operating System)は、ロボット開発に必要となる様々なソフトウェアライブラリやツールを提供するフレームワークであり、micro-ROSは、最新のROS 2規格を32ビットクラスのマイコンに実装するためのフレームワークである。ルネサスとmicro-ROSの開発に携わるeProsimaは協業して、micro-ROSをRAマイコンに実装した。micro-ROSをサポートするハードウェアは、公式にサポートされているオフィシャルボード(Officially supported boards)とコミュニティにサポートされているボード(Community supported boards)に分かれており、RAマイコン搭載のEK-RA6M5ボードは、オフィシャルボードとなったため、ユーザはより信頼して利用することができる。

 micro-ROSを用いることにより、ROSのAPIをマイコン上で使用することができるようになる。これにより、ROS環境で実行している革新的なアプリケーションソフトウェアのマイコンへの実装が容易になり、ユーザはROS環境で用意されている多様な開発フレームワークを、組み込み機器で活用できるようになる。今回、ルネサスのRAマイコンにこのmicro-ROSを実装したことにより、インダストリ4.0やIIoT(Industrial IoT)向けアプリケーションにおけるロボットフレームワークの活用が容易になる。WindowsおよびLinuxベースで使用できるルネサスの統合開発環境e2 studioがmicro-ROSの実装をサポートするため、micro-ROSクライアントライブラリが容易に使用できる。

 ルネサスのArm Cortex-M搭載の32ビットマイコンRAファミリは、次世代の組み込みシステムのニーズに対応できるよう、性能、セキュリティ、コネクティビティ、周辺機能を最適化している。また、エコシステムパートナからは、RAマイコン上のMicrosoft Azure RTOSやFreeRTOS環境ですぐに動作するソフトウェアとハードウェアを提供している。これらを組み合わせることより、RAファミリは、micro-ROSの実装に最適なリファレンスプラットフォームとなる。

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