ステランティス、北米で実走行する180万台の車両に緊急警報システム(EVAS)機能をアップデート

ステランティスは、北米で実際に走行している180万台以上の車両モデルに緊急車両警報システム(EVAS)を導入することを発表した。同システムは、Uconnect車両プラットフォームシステムを使用して、緊急車両やその他の道路上の危険物が近くにある場合にドライバーに警告する。

緊急車両警報システムの概要

グローバルに自動車の安全性を高めるこの画期的な技術は、ステランティスの戦略計画「Dare Forward 2030」の重要な要素であり、製品とサービスにおける顧客満足度No.1の達成を目指している。EVASはUconnectの標準機能であり、米国およびカナダの2018年モデル以降のクライスラー、ダッジ、ラム、ジープブランド車180万台で既にアクティブ化されている。また、EVASは、HAASアラートによるデジタルアラートのための国内最大のV2X(Vehicle-to-Everything)プラットフォームであるセーフティ・クラウドとの統合により機能する。

現在、米国・カナダで走行している180万台以上のクライスラー、ダッジ、ラム、ジープのクルマにUconnectコネクテッド・ビークル・プラットフォームの緊急車両警報システム(EVAS)機能が導入されることが発表された。このシステムは、道路走行中に消防車や救急車など近くの道路の緊急性や危険性を車内のドライバーに通知するために機能する。2018年モデル以降の車両のドライバーに周囲の環境を安全に認識させるUconnectの標準機能であるEVASは、社員のイノベーションを育成し報いるステランティス・スターアップ・プログラムから生まれたイノベーションである。

EVASの警報は、北米の何千もの公共および民間の道路フリートによって使用されているV2X(ビークル・トゥ・エブリシング)およびデジタル警報ソリューションであるHAASアラートのセーフティ・クラウドプラットフォームから提供されている。セーフティ・クラウドは、緊急車両に加えて、レッカー車、障害車両、作業ゾーンや矢印板、高速道路ゲート、その他道路上の接続された資産や機器からの通知を受信して配信されている。

ステランティスは、EVASを基盤として、エマージェンシー・セーフティ・ソリューションズ社と共同で、ハザード・エンハンスド・ロケーション・プロトコル(HELP)によるV2Xアクティブドライバー安全通知の次のステップを評価している。

トラブル情報を送信するHELPシステム

HELPは、トラブル車両で起動すると、車両とその正確な位置をHAASアラートのセーフティ・クラウドに送信し、Uconnectを搭載した接近車両(またはセーフティ・クラウドに接続した他のモバイルおよびインダッシュシステムを使用しているドライバー)に通知を送信する。これにより、ドライバーは15~20秒前に警告を受けることができる。これは、高速道路での走行速度でおよそ500mの距離である。

HELPにより、トラブル車両はセーフティ・クラウドプラットフォームに接続するすべての車両と重要な安全メッセージを共有できるようになり、車両間技術における重要な新機能を開放し、すべてのドライバーの交通安全向上に貢献する。HELPは、車両が停止しているときにドライバーが手動で作動させることも、衝突やタイヤの破裂など安全上重要な状況下で自動的に作動させることも可能だ。

また、HELP搭載のLEDライト搭載車では、ハザードランプやその他の外装ランプを科学的に調整された速度とパターンで点滅させ、対向車のドライバーの注意を引く「HELP ライトニング・アラート」を追加することが可能だ。

ステランティスは、STLA ブレイン、STLA スマート・コクピット、STLA オートドライブの3つの全く新しい技術プラットフォームを開発しており、2024年からBEV中心のSTLA車両プラットフォーム4機種に大規模展開する予定としている。ステランティスのソフトウェア戦略は、2025年までの電動化とソフトウェアへの300億ユーロ(≒4兆4,000万円)以上の投資計画を背景に、10年後までに約200億ユーロ(≒3兆円)の年間収益増を目標としている。

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