目次
背景
再生可能エネルギーの導入が進む中、天候等により発電量が急激に変化するなど、需給調整力の確保が社会問題となっており、発電した電力を貯蔵することで需給調整の役割を果たす定置用蓄電池システムの重要性は今後増大していくものとされる。今回、パナソニックHDと、あいおいニッセイ同和損保の両社は本協定を締結し、定置用蓄電池システム向けの蓄電池劣化予測技術を活用した保険商品の開発を通じ、定置用蓄電池システムの普及を支援し、ゼロカーボン社会の実現を目指す旨を発表した。
本協定の概要
(1)蓄電池劣化予測技術を活用した定置用蓄電池システム向けの保険商品開発
従来の定置用蓄電池システム向けの保険商品は、保険の対象となるシステムの長期に渡る十分な故障データが無ければ加入できなかったが、パナソニックHDが開発する劣化予測技術を用いることで、故障データを必要とせず、保険商品の開発・提供が可能になる。両社は、蓄電池に関する豊富な知見・ノウハウを掛け合わせることで、普及を支援する保険商品の開発・提供を行っていく。
損害と補償の定義 | 劣化予測技術で示された推奨使用方法どおりに使用したにも関わらず、予定の期間内に見込SOH(※)を維持できなかった場合に、そのSOH数値まで復旧するために要する費用損害を補償 |
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保険契約者・被保険者 | 蓄電池システムメーカーまたは蓄電池販売事業者 |
補償期間 | 判定結果により異なる |
補償条件 | 劣化予測技術で示された推奨使用方法を遵守すること |
※バッテリーの健全度や劣化状態を表す指標。初期の満充電容量を100%とした際の、劣化時の満充電容量の割合
(2)両社の役割
パナソニックHDは、長年にわたる蓄電池の技術開発で培ってきた知見や技術ノウハウを活用し、定置用蓄電池システム向けの劣化予測技術の検討を担う。あいおいニッセイ同和損保は、蓄電池に関連するこれまでの保険引受ノウハウを基に、定置用蓄電池システムが抱えるリスク軽減を追及し、蓄電池全般の普及を支援する保険商品開発を目指す。


3. 実証パートナーの募集
本協定に合わせて、系統蓄電池/太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーに蓄電池システムを設置している事業者、ビルや工場等の施設に蓄電池システムを設置している企業、蓄電池システムメーカーなど実証パートナーが幅広く募集されている。実証では、設置されている蓄電池システムの劣化予測結果が無償で提供され、電池の劣化を抑制するような運用方法などが提案される。
<実証期間>
募集期間:2025年2月7日~2027年2月末日
実証期間:2025年4月~2028年4月
※募集期間及び実証期間は変更になる可能性あり。