新たに立ち上げられる生産拠点では、商用車における中長期的な電動化の流れを見据えながら、内燃機関車の需要にも対応可能な変種変量生産方式が導入される。具体的には、いすゞグループとして初となるコンベアレス・ピットレス式が採用され、柔軟性と拡張性を備えた最先端の生産ラインとなる。また全工程での品質保証体制構築を目的に、検査の自動化による作業ミスの防止、部品のトレーサビリティ、不良品流出防止のための画像検査等が導入される。
いすゞは北米市場に1984年より参入し、2023年度は過去最高の4.4万台を販売するなど、重要市場の一つとして、ものづくり・販売・サービスに注力している。今後、北米の商用車市場において中長期的に需要が増加していくことが想定されるバッテリーEV(BEV)の生産に必要な部材の現地調達化が進められ、北米事業のさらなる拡大が目指される。
いすゞグループは2024年4月に中期経営計画「ISUZU Transformation – Growth to 2030(IX)」を発表し、①自動運転ソリューション、②コネクテッドサービス、③カーボンニュートラルソリューション――の3領域を将来の新たな収益源として、2030年代には売上高1兆円規模の事業へと拡大することが目指されている。また、IXでは北米をBEVビジネスの先駆けとなる地域と位置付け、昨年8月、小型BEVトラックの市場投入に合わせ、コネクテッドサービスの展開を開始するなど、北米事業の拡大に向けた動きが加速されている。
場所 | 米国サウスカロライナ州グリーンビル郡 |
---|---|
面積 | 敷地面積:約750,000㎡ 工場建屋面積:約93,000㎡ |
投資総額 | 約2.8億ドル(想定) (約430億円 ※2025年1月末時点 1ドル=155円で換算) |
稼働開始時期 | 2027年内(計画) |
生産車両 | Nシリーズ:BEV/ガソリンモデル Fシリーズ:ディーゼルモデル |
年間生産能力 | 約5万台(2030年時点計画値) |
従業員数 | 700人以上(2028年時点計画値) |