本工場の中央建屋は著名なイラク系英国人建築家ザハ・ハディッドの設計により、2005年の竣工の年にドイツ建築賞を受賞。生産ホールに「フィンガー」配置を採用した世界初の組み立て工場として建設され、柔軟で理想的な物流ソリューションが実現されている。BMWグループのライプツィヒ工場は現在、今後登場するモデル、そして今後20年間の歴史に備え、さらなる拡張とアップグレードが進められている。
BMWグループはこれまでに50億ユーロ(≒7,800億円)以上をこの拠点に投資。ライプツィヒ工場では現在、2つのブランドで3種類の駆動方式、4つのモデルが同じ生産ラインで製造されている。BMW 1シリーズ、BMW 2シリーズ アクティブツアラー(プラグインハイブリッド仕様を含む)、BMW 2シリーズ グラン クーペ、そして電気自動車と従来型の両方のMINIカントリーマンだ。工場が計画された当初、生産台数は1日あたり650台と予想されていたが、それから20年が経った今、生産能力は1日あたり最大1,300台に達している。2005年以降、ライプツィヒ工場で生産されたBMWとMINIは20種類に上る。
ライプツィヒ工場にとって特に画期的な出来事は、同工場で初めての完全電気自動車を生産したことだ。これによりBMWグループにおけるエレクトロモビリティの発祥の地となり、2013年から2022年の間に、25万台以上のBMW i3の電気自動車が生産ラインから送り出された。2014年にはBMW i8が登場。BMWグループ初のプラグイン・ハイブリッド車であるi8は、受賞歴のある未来的なデザインと先進的なテクノロジーを特徴とし、それらが相まってスポーツカーのアイコンとなった。
2024年3月にMINIカントリーマン・エレクトリックの生産が開始されて以来、ライプツィヒ工場では第5世代の高電圧バッテリーの製造工程全体を担っており、5つのセルコーティングライン、3つのモジュール組立ライン、2つの高電圧バッテリー組立ラインを備えている。これらのバッテリーは、MINIカントリーマン・エレクトリックやBMWの完全電気自動車モデルに搭載され、BMWグループのさまざまな拠点で使用されている。