ホンダが栃木県芳賀町と、AIや自動運転などを活用した「交通・環境課題解決へ向けた技術実証実験に関する共同研究契約」を締結

ホンダの研究開発子会社である本田技術研究所(以下、Honda)は、AIや自動運転などの先進技術を活用したモビリティの実現や、それらを活用した地方都市の交通課題の解決を目指し、栃木県芳賀町と「交通・環境課題解決へ向けた技術実証実験に関する共同研究契約」を締結したことを発表した。共同で地方都市における交通・環境課題の分析を行なうとともに、Hondaは、人と分かり合えるHonda独自の協調人工知能「Honda CI(Cooperative Intelligence※1以下、CI)」を搭載したモビリティの実用化を目指し、「CI運転支援システム」や「地図レス協調運転技術」の技術実証実験を実施。芳賀町は課題に対する解決策の検討や技術実証実験に必要なフィールドの提供に加え、官公庁との交渉およびその支援などを行なう。

本契約に基づくHondaの主な取り組み項目

①CI運転支援システムの技術実証実験

ドライブレコーダー型デバイスにCIを組み込んだ「CI運転支援システム」をN-VAN e:に搭載し、公道で検証する技術実証実験が実施される。CIが周辺状況から運転リスクを予測して、そのリスクをドライバーに伝達することで安全行動を促し、ドライバーのリスク見落としによる交通事故を低減することが目指される。

N-VAN e:
CI運転支援システム(搭載イメージ)

具体的には、ドライブレコーダー型デバイスに内蔵された2つのカメラを用いて、CIが周辺環境の運転リスクを検出するとともに、ドライバーの注視方向を認識し、交通シーンとドライバーの認知状態に応じて、車内に設置したLEDインジケーターでドライバーに対して注意喚起が行われる。

この実験用車両を芳賀町職員の公用車や町内のシェアカーとして活用いただくことで、システムの有用性を検証するとともに、年齢や運転経験などに応じた運転傾向を計測し、高齢者や運転に不慣れな方の事故低減に向けた研究に活用される。

②地図レス協調運転技術の技術実証実験

事前に整備された高精度地図を必要とせず、車両が自ら周辺環境を認識しながら自動走行できる「地図レス協調運転技術」の技術実証実験が開始される。

開始時は、搭乗型のCIマイクロモビリティ「CiKoMa(サイコマ)」に安全監視ドライバーが乗車し、芳賀町の公道にて、時速20km未満の低速域で「地図レス協調運転技術」の技術検証を行うことが計画されている。さらにその後は、N-VAN e:に「地図レス協調運転技術」を搭載した実験用車両を用いて、時速40kmまでの中速域で自動走行の技術検証が行われる予定。低速域と中速域の技術実証実験で得た技術や知見を組み合わせ、自動走行技術やCIマイクロモビリティの開発に生かされる。

なお、茨城県常総市の公道においても同じく、同様の実験用車両を使用して中速域での自動走行の技術実証実験が行われる予定です。

※1 振る舞いや言葉を通じてコミュニケーションを図り、ユーザー・周囲の人と協調しながらユーザーを支える人工知能

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