この提携には、個人宅向けのスマート充電サービスが含まれ、一方向(Vehicle-1-Grid/V1G)と双方向(Vehicle-2-Grid/V2G)の両方のソリューションが提供される。V1Gは、車両をスマートかつコスト効率よく充電する仕組みであり、V2Gは電気自動車が電力をグリッドに逆送電する機能を提供する。
メルセデス・ベンツは、新型電気自動車と共にスマート充電サービスの段階的な導入を計画している。初期開発段階では、自宅のウォールボックスでの充電プロセスをインテリジェントに制御し、再生可能エネルギーによる充電を最適なタイミングで実施することで、ドライバーの電気料金を節約することができる。このインテリジェントシステムは、風や太陽のエネルギーが利用可能な際に充電を実行し、エネルギー網に再生可能エネルギーが大量に供給され、電気料金が低下する仕組みとなっている。
パートナーシップの主要な焦点は、双方向充電のインフラ開発にある。これにより、電気自動車は充電だけでなく、電力をグリッドに逆送することも可能になる。電気自動車はエネルギー貯蔵装置として機能し、個人宅のスマートホームシステムだけでなく、全体のエネルギーグリッドの重要な構成要素となる。電気自動車のバッテリーに蓄えられたエネルギーは、Vehicle-to-Grid技術(V2G)を通じて市場で取引可能となり、ピーク時に余剰電力を安価に購入し、需要が高まる際に電力網に供給することで電気料金を削減することができる。

スマート充電サービスを通じて、メルセデス・ベンツとザ・モビリティ・ハウスはエネルギー転換の成功に不可欠な2つの要素を統合している。これにより、エネルギー事業者は、負荷に応じて風力や太陽光発電で生成された電力を電気自動車の充電に活用することで、グリーン電力の配分を最適化できる。