三菱ケミカル: 遮炎機能を持つ熱可塑性複合材料(FRTP)を開発

三菱ケミカルと、子会社である三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズは、遮炎機能と、高い生産性やリサイクル性を両立した熱可塑性複合材料(Fiber-reinforced Thermoplastics:FRTP)を開発した。

 近年、気候変動対策として、CO2排出削減に向けた取り組みが進む中、モビリティの分野では電動化の動きが加速している。EVに代表される電動モビリティのバッテリーシステムは、搭乗者の安全を確保するための高い遮炎性と、省エネのための軽量化が求められている。従来、難燃機能の付与が比較的容易であり、軽量化を実現できる熱硬化性複合材が使用されてきたが、生産サイクルが長いこと、リサイクル性が低いことが課題となっていた。

 本開発品は、三菱ケミカルグループが有する繊維や樹脂、バッテリーシステムに関する技術・ノウハウを結集し、熱可塑性樹脂をベースに繊維や樹脂の組成を工夫することで、強度・剛性や軽量性と加工性、リサイクル特性を両立させた製品である。加えて難燃機能も向上させ、実験では1,000℃以上の火炎を5分以上遮炎することを確認している。現在、一部の顧客との間でサンプルワークを進め、バッテリーパックの外装など用途開拓にも取り組んでいる。

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