データセンターの400Gbps通信と光トランシーバーの低消費電力化、低コスト化に貢献

三菱電機:広動作温度範囲 CWDM 100Gbps(53Gbaud PAM4)EMLチップ サンプル提供開始

三菱電機は、光トランシーバー※1用として5℃から85℃で動作可能な半導体レーザーダイオードチップ「広動作温度範囲 CWDM※2 100Gbps(53Gbaud※3 PAM4※4)EML※5チップ」を開発し、11月1日にサンプル提供を開始する。光トランシーバーに本チップを4つ搭載することで、データセンターの400Gbps光ファイバー通信を実現する。また、広動作温度範囲の実現により、チップの冷却機構が不要となり、光トランシーバーの低消費電力化と低コスト化に貢献する。

新製品の特長

1.独自のハイブリッド導波路構造により、広動作温度範囲での高速動作を実現

  • 高光出力に優れる埋込型レーザーと、高消光比※6・広帯域に優れるハイメサ型※7変調器を同一チップ上に集積した当社独自のハイブリッド導波路構造(図1)を採用
  • レーザー部および変調器部の設計パラメータを最適化することで、5℃から85℃の広動作温度範囲で53Gbaud PAM4の高速動作(図2)を実現

    ※6 光信号を伝えるためのONとOFFの強度の比。一般に大きいほど信号品質が高く長距離伝送に適する
    ※7 コア層(導波路)と上下クラッド層の部分をメサ形状(断面を台形の形に加工)とした構造

2.広動作温度範囲により、光トランシーバーの低消費電力化と低コスト化に貢献
広温度範囲で動作することでチップの冷却機構が不要となり、データセンター内のシステム構成部品である光トランシーバーの消費電力とコストの低減を実現

サンプル提供の概要

※1:電気信号と光信号を相互に変換する電子部品
※2:Coarse Wavelength Division Multiplexing:光通信における波長多重化通信技術の一つで、20nm間隔の複数波長の信号を1本の光ファイバーで伝送する方式。今回は1271,1291,1311,1331nmの4波長を採用
※3:baud:1秒間の変調回数を表す単位。53Gbaudの場合1秒間に530億回変調する
※4:PAM4:4-level pulse-amplitude modulation の略。4 値パルス振幅変調。従来の「0」と「1」から成る2 値のビット列でなく、4 値のパルス信号として伝送する方式
※5:Electro-absorption Modulator integrated Laser diode:電界吸収型光変調器を集積した半導体レーザーダイオ-ド

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