ST、Eyeris:車室内モニタリング向けのグローバル・シャッター機能付きセンサ・ソリューションで協力

STマイクロエレクトロニクスとEyerisは、車室内モニタリング向けのセンシング・ソリューションの開発で協力することを発表した。

 今回の協力では、Eyerisの先進的なディープ・ニューラル・ネットワークのポートフォリオを活用して、STのグローバル・シャッター機能付き車載用イメージ・センサを車室内センシング・アプリケーションに拡張し、車室内全体の視覚的な空間認識を実現する。この高度な空間認識は、ドライバー・モニタリング・システム(DMS)や、乗員モニタリング・システム(OMS)、幼児置き去り検知、物体認識、ジェスチャ制御、および行動予測などのアプリケーションを実現し、自動車の安全性および利便性の向上に貢献する。

 STの2.3Mピクセル グローバル・シャッター機能付き車載用イメージ・センサ「VG5761」は、最大98dBの高ダイナミック・レンジを特徴とし、あらゆる照明 / 環境条件において、車室内のイメージをクリアかつ鮮明に取り込むことができる。同センサをEyerisの車室内センシング技術と組み合わせることで、バックミラーやオーバーヘッド・コンソール、中央操作パネルなど、非正面の位置から高精度の視線追跡ができる同社のドライバー・モニタリング・システムに使用できるようになる。また、Eyerisの乗員モニタリング・システムと組み合わせることで、身体の特徴点、高さ、幅、サイズ、姿勢、動き、向きを正確に追跡することができる。さらに、高精度の幼児置き去り検知や、さまざまな照明条件における車室内の物体認識を実現する。STとEyerisの技術統合は、自動車における乗員の安全性や快適性、および利便性の向上に大きく貢献する。

 STのイメージング事業部 米国テクニカル・マーケティングを統括するDominique Barbier氏は、次のようにコメントしている。「STは、自動車とeモビリティの安全性向上に取り組んでいます。STのグローバル・シャッター機能付きイメージ・センサを使用した車室内センシングAI開発におけるEyerisとの協力は、革新的な企業による重要な課題への取り組みの成果を示す、価値ある例となるでしょう」

 VG5761は、2つのメモリ領域を備えており、それぞれに画像を格納することができる。そのため、高ダイナミック・レンジを実現すると共に、遅延やホスト・システムによる追加処理なしで背景除去を行うことができる。RGB-IRバージョンの製品では、近赤外(IR)波長域とRGBチャネルで高い空間周波数特性(MTF)を使用し、さまざまな照明環境で車室内全体の状況をモニタリングすることができる。また、車室内のセーフティ・クリティカルな関心領域(ROI)をドライバーの目や乗員の身体の特徴点といったきわめて詳細な情報に基づいて正確に分析することができる。これにより、ドライバーの眠気や注意散漫の兆候、および乗員の姿勢をきわめて早い段階で検出する。優れた性能を提供するVG5761とEyerisのAIベース・アルゴリズムを組み合わせることで、自動車メーカーによる拘束装置やパッシブ・セーフティ・システムのパーソナライズをサポートする。

 Eyerisの創設者 兼 最高経営責任者(CEO)であるModar Alaoui氏は、次のようにコメントしている。「Eyerisのディープ・ニューラル・ネットワークのポートフォリオとSTのグローバル・シャッター機能付きイメージ・センサを組み合わせることで、車室内センシング向けの最先端ソリューションを実現しました。自動車業界における有用かつ基盤的なソリューションとして、車室内の安全性や快適性の向上に貢献します」 

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