川崎重工:副生水素混焼の30MW級純国産高効率ガスタービン「L30A」を納入

納入した副生水素混焼のガスタービン発電設備
川崎重工は、自社開発した最大出力機種の30MW級純国産高効率ガスタービン「L30A」を用いた副生水素混焼のコージェネレーション設備を西部石油山口製油所に納入。2021年8月に営業運転開始後、順調な稼働を続けている。

 川崎重工は、本設備の設計、主要機器の供給、据付工事一式を請負った。本設備は、主要機器である「L30A」ガスタービン1基、排熱回収ボイラ1基などで構成され、発電出力は34,150kW。石油製品の生産過程で発生する副生水素を含むオフガスを燃料として利用し、水素量の割合を20~50vol%で混焼することが可能。石油精製工程で欠かすことのできない電力・蒸気の安定供給と高効率発電を実現するとともに、副生水素を有効活用したエネルギーコスト低減とCO2排出量削減にも大きく貢献する。

【コージェネレーション設備の仕様】
 ガスタービン発電設備の発電出力:34,150kW
 排熱ボイラ蒸発量:約40t/h

 水素は、燃料として利用する際にCO2を排出しないため、将来的には環境にやさしい究極のクリーンエネルギーとしての役割を担うことが期待されている。今後、水素エネルギー利用の導入期においては、本設備と同様に天然ガスと混焼して水素を利用することが見込まれる。
 また、1~30MW級の中小型ガスタービンに強みを持つ川崎重工は、すでに水素を100%燃料とする水素専焼ガスタービンの実証試験にも成功しており、顧客の将来的なエネルギー施策に合わせて、水素混焼もしくは専焼を提案できる水素発電技術を開発している。

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