日本製鉄:欧州北海での二酸化炭素の回収・貯留プロジェクトに高合金シームレス油井管採用

日本製鉄の高合金シームレス油井管が、Equinor ASA(エクイノール)が欧州北海で主導するCCS※1プロジェクトであるNorthern Lights Joint Venture※2(ノーサーン ライツ ジョイントベンチャー、以下、同JV)に採用された。

 同JVは、ノルウェーの都市部や周辺国の工場で発生する排ガスから回収した二酸化炭素(以下、CO2)を、100km沖合の中間貯蔵基地までパイプラインで運搬した後、海底下2600mにある貯留層に圧入するサービスの事業化を目指している。CO2を海底下へ圧入する際、液化した高濃度CO2を注入するため、使用する鋼管には高い耐食性が求められる。日本製鉄が開発した高合金油井管は、これまで世界各地の非常に過酷な石油・天然ガス開発に長年採用されてきており、この分野において世界トップシェアを誇る。同製品は世界でもトップクラスの優れた耐食性を有しており、高濃度CO2環境でも腐食することなく使用できる。同JVは、2024年の稼働に向けてすでに着工、日本製鉄はこれまでに炭素鋼の油井管を約130本(1550メートル)供給してきた。今般新たに高合金油井管も採用が決定し、2021年10月より供給開始予定。採用本数は約120本(1390メートル)。

※1 CCS(Carbon dioxide Capture and Storage):発電所や化学工場などから排出されたCO2を他の気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入する「二酸化炭素回収・貯留」技術のこと。
※2 ノーザン ライツ ジョイントベンチャー(Northern Lights JV)について:同JVは、ノルウェー政府が進めるCCSプロジェクト「Longship」の中で輸送・貯留部分を担う。CO2をノルウェー西海岸の陸上ターミナルに輸送し、そこから液化CO2をパイプラインで北海の海底貯蔵施設に輸送、その後海底下2600mにある貯留層にCO2を圧入する。欧州域内の事業者に、CO2を安全かつ恒久的に貯蔵する機会を提供するという世界で初めて国境を越えたオープンソースCO2輸送・貯蔵インフラネットワーク構築を目指す。同JVはエクイノール、シェル、トタールの共同出資により2021年3月に設立。エクイノールは、陸上および海上施設の操業を担う同JVのサービスプロバイダーであり、2024年の操業開始を予定。

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