「ND型ロードスターの良さを底上げする老舗の技」最小限のパーツ構成で驚きのハイバランスを実現!

独自の「ロケットダンサー」エアロシステムも大注目!

仕様変更を重ねたオリジナル車高調が操る楽しみを存分に引き出す

扱いやすさや快適性を犠牲にすることなく、オールラウンドで楽しめるストリートチューンを提唱する“フジムラオート”。今回紹介するデモカーのND型ロードスターでは多くのユーザーにフィードバックするべく、最小限のパーツで構成。デフ、ブッシュ、スタビライザーなども変更せず、ハイバランスを導き出している。

その要となるのが、スピリットの車高調をベースに仕様変更を重ねたオリジナルのサスペンションキットだ。ノーマルの素直な挙動を受け継ぎながらも、NDの美点であるコーナリングスピードの高さをさらに引き上げられるフットワーク作りを目指した。

開発では代表の藤村さんが自らステアリングを握ってミニサーキットで走り込み、挙動変化がわかりやすく、積極的に荷重移動をさせて操る楽しみを引き出せるスポーツサスペンションに仕立ててきた。同時に通勤のアシとしても日常的に使い込み、タウンライドやロングドライブ、ワインディングなど、ストリートステージでも不快感なく、しかも次元の高い走りができるように完成度が高められている。

一方、オリジナルブランドの『ロケットダンサー』で展開するエアロにもストリートチューンコンセプトを凝縮。

エアロボンネットは武骨になりすぎないように、左右にバランスよくダクトを配列。軽量設計も魅力のひとつで、純正アルミの10.4kgに対してカーボン+FRPモデルは8.2kgを達成している。また、オプションでレインプロテクターもラインナップされ「クリップで固定するタイプなので、突然の雨でも安心! 工具を使わずに、素早く簡単に脱着できますよ」と代表の藤村さん。

フロントバンパーは、チューニングを発展させハードに走り込むことも想定し、冷却性や空力性能を強く意識して設計。その上で、ハイセンスなデザインを求め、グラマラスなフェンダーラインを受け継いだ躍動的な造形を構築。LEDデイライトやセンターカバー、リップなど、専用オプションも充実している。

「あくまでもノーマル+αのリファインにこだわりたい」というニーズにも耳を傾け、純正バンパーに対応したリップカバーもラインアップ。FRPとカーボンを用意し、両面テープでの固定であれば、簡単に取り付けられる手軽さが魅力だ。

純正リヤバンパーのボトムに追加装着するリヤディフューザーフィンも用意。洗練された純正バンパーの基本意匠は崩さず、さりげなく疾走感をプラスできるのがポイント。派手さを抑えながらも、違和感なく個性をアピールしたいニーズにはピッタリのアイテムだ。

サーキットでテストを重ねるうちに、必要性を感じて製品化されたシートベルトアンカーも開発した。4点式シートベルトを固定するためのステーだが、ステンレスでしっかりと作り込まれていて、ND型の上質な車内空間をスポイルしていない。

サーキットで高性能ラジアルを履いてテストする機会が多く、ホイールは高い剛性を誇るボルクレーシングZE40を選択。サイズは7.5J×17+38を選び、取材時は215/45R17のアドバンネオバAD08Rと組み合わせていた。

もちろんパワー系にも手が入り、チューニングのファーストステップとしては絶対に外せないマフラーには、シンプルで洗練されたビジュアルのジェントルサウンドマフラーを用意。ハイチューンにも対応できる高効率を求めながら、心地よい音質と音量を導き出している。また、純正の9.3kgから3.3kgにまで軽量化を進め、ロープライスも実現している。

ECUに関しては、HKSのフラッシュエディターによるリファインも好評だが、デモカーでは純正ECU書き換えによってオリジナルデータを構築。シャシダイと実走行による走り込みでデータを煮詰め、ノッキングを回避しながら、セーフティにレスポンスと伸び感を強調しているのだ。

チューニングを知り尽くした老舗ならではのアプローチ。ロードスターが持つ潜在能力をバランス良く味わいたいユーザーにとっては、非常に参考になるメイキングと言えるだろう。

●取材協力:フジムラオート 京都府京都市南区上鳥羽卯ノ花65 TEL:075-661-9393

フジムラオート
http://www.fujimura-auto.co.jp

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