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350馬力をイージーに楽しめる快適仕様、見参
匠のセットアップ術でFJ20は生まれ変わる!
6代目スカイラインR30型の中で、4バルブヘッドを持つ2.0L直4DOHCのFJ20E/ETを搭載するのが、RS/RSターボというグレード名が与えられたDR30。
デビューした1981年当時、NAで150psだったパワーは1983年のターボ化で190psへと引き上げられ、その翌年、俗に“鉄仮面”と呼ばれる後期型になるとインタークーラー追加で205psまで向上した。
しかしこのエンジン、高性能な反面、点火系(デスビ)をはじめトラブルが発生しやすい部分も多く、さらにターボ周辺や旧式のフラップ式エアフロ等、過渡期のシステムには安定度に欠ける面も多々見られた。この車両は、そんなウィークポイントを今のチューニングパーツと技術でリフレッシュしているのが見どころだ。
心臓部のFJ20は、オーバーサイズピストンやI断面コンロッド等で2.1L化。HKSのGT-SSタービンを使い、ブースト圧1.2キロ時に350psを発生させる。また、インジェクターには550ccの12ホール式を組み込み、全域でのレスポンスアップだけでなくアイドリング時の不安定さも解消している。
そうして高めたパワーを安定発揮させるべく、弱点である点火系を徹底改良。SR20DETのクランク角センサーと日産純正のコイル、そして装着のために設計したコイルベースプレートとアダプターでダイレクトイグニッション化を敢行。これにより、トラブルの元を絶つことができただけでなく、フィーリングも大きく向上させることに成功した。
アイドリングのコントロールもSR20用AACバルブの追加で最適化。冷間時やエアコン使用時のアイドルアップなどが正常に行われるようになるだけでも、快適度が大幅にアップする。
制御にはF-CON Vプロを採用。点火系やアイドリング制御のみならず、曖昧で粗雑なフラップ式エアフロのキャンセル(Dジェトロ化)も行なっている。
エンドマフラーにはスカイラインの伝統に則した(!?)デュアルテールタイプをチョイス。性能を求めるなら太いシングルとなるが、快適性や消音、スタイリングまでトータルで考えての選択だ。
当時の雰囲気を偲ばせるスクエアデザインのインパネ周り。追加メーターやEVCもシンプルに装着。これらのアイテムをゴチャゴチャさせず綺麗にレイアウトしているところに、オーナーの性格がよく現れている。
リヤには乗車定員の快適性を保持しつつ、ボディ剛性を高める補強バーを装着。パワーアップだけでなく、剛性や制動系の強化なども含めたトータルバランスを高めることで、現行車と比べても遜色のない使い勝手を実現している。
その他、ミッションには1〜2速がダブルコーンシンクロとなるR32用を流用し、街乗りでのイージーさも向上。どんなシチュエーションにも対応できる懐の深さを持った、まさに大人の仕様に仕上がっているのだ。
●取材協力:エスコート埼玉 埼玉県戸田市笹目4-19-4 TEL:048-421-9443
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