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狭小スペース対応の水冷式!
サーキット派のS660オーナーは必見
タービン交換を軸にしたパワーチューンはもちろん、ブーストアップレベルの仕様でもスポーツ走行をする際にネックとなるのが発熱の問題だ。

とくにS660は吸気温度が上昇しやすい傾向で、純正のインタークーラーでは少し走っただけでも150度を超えてしまう始末。そんな状態ではフェールセーフモードに入って本来の性能を発揮できないばかりか、最悪はノッキングの発生でエンジンに致命的なダメージを与えかねない。その対策としてHKSが展開しているのが、水冷式のインタークーラーシステム(41万5000円)だ。

当初、HKSではインタークーラーの大型化というアプローチで開発を進めていたが、コンパクトなミッドシップスポーツでは装着スペースの制約が多く、従来の空冷式インタークーラーで納得のいく性能を発揮させることが敵わなかった。
そこで発想を転換し、開発を始めたのが水冷式のインタークーラー。コア部に専用の冷却システムを持たせることで、レスポンスを損なうことなく吸気温度を適性まで下げることに成功したのだ。


インタークーラー専用のラジエターをフロントに装備し、専用電動ウォーターポンプで冷却水を循環させることで、インタークーラーを冷却するシステムとなる。

このグラフは、GT100Rタービン装着車両の走行テスト結果(HKS社内データ・サーキットテスト)だ。インタークーラー入口の温度は、走行開始後1分もしないうちに160度を突破。そして、ノーマルインタークーラー/試作の空冷インタークーラーともに約5分でインタークーラー出口温度が90度に達し、フェイルセーフ(ノックリタード)が介入して性能が大きくダウン。その点、製品化された水冷式インタークーラーは約55度で安定していることが分かる。


こちらは水冷式のオイルクーラー(32万7800円)。エンジン冷却水をコアに通して、油温を水温と同レベルに保とうという趣向で開発されたパーツだ。オイル経路が最低源で収まるため、油圧のドロップも発生しない。グラフの通りテストでも約10℃の油温低下を確認し、水温への影響もみられなかった。

スポーツマシンとして優れた素性を持つS660。純正時でもネックとなる熱問題から解き放たれれば、その魅力は一気に増すはずだ。
●問い合わせ:エッチ・ケー・エス 静岡県富士宮市北山7181 TEL:0544-29-1235
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