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ストリートからサーキットまで!
タイプRらしさを堪能できるメニューを提案
1982年の創業以来、一貫してホンダ車オンリーに拘り続けてきた福岡県の“M&M”。近年もシビック、インテグラやS660他、幅広い車種に向けた大胆なデザインのワイドボディキットシリーズでホンダ車のカスタムシーンに新風を巻き起こすなど、独自のアプローチと長年の実績に基づく信頼性を兼ね備えたブランドとしての評価を国内外で確立。
最新鋭のタイプR、FL5についても開発用デモカーとして発売直後に導入済み。サスペンションやエアロパーツなど、サーキットでの入念なテストから生まれた様々なオリジナルアイテムがリリースされている。

「FK8と比較すると、スタイル的にはジェントル路線となったFL5ですが、低回転域からのトルクの立ち上がりなど、乗り味は結構スパルタン。エンジンチューニングについてはまだ初期の段階ですが、HONDATAのフラッシュプロでのセッティングの見直しや当社のチタンマフラーの装着というライトな仕様でも約50psの出力向上を果たしています」と語るのは、M&M店長の真島さん。

ちなみに、次なるステップとして視野に入れているのが、オリジナル大容量ターボチャージャーの導入。これは、タービン/コンプレッサー共に大径化が行われたもので、450ps対応というスペックの持ち主。この過激な特性をフルに活かすべく、駆動系の強化も図られる予定だ。
「パワーを着実に路面に伝えるトラクション性能の確保に加え、ミッションの耐久性も今後の課題となってくるはず。その他、車体側の色々な制御介入への対策も面倒だけど、これらは避けては通れない時代の要請。やみくもにMAXパワーだけを狙うことなく、普段乗りに使える実用性の中にもタイプRらしさが楽しめるクルマ作りを目指したいですね」と真島さん。

エキゾーストマフラーには、メインパイプ76.3φ、テールエンド115φのオリジナルフルチタンを導入。純正の消音用フラップを無くすことで、排気効率を向上。純正比マイナス11kg以上という軽量設計となっている。

続いてエクステリア。フロントには整流効果を高めるリップスポイラーをインストール。両端部をスプリッター状に立ち上げるなど、純正サイドスカートとのデザイン的な統一感も図られている。素材はFRPとカーボンから選択可能。3分割構造のため補修が容易な他、購入時の配送のしやすさという点も考慮。

ボンネットは、優れたクーリング性能と高い強度を備えたSEIBON製だ。エアアウトレットの形状は3種類あり、デモカーに装着されているのはタイプTVと呼ばれるモデル。

リヤクォーターガラス部分に装着するボルテックスジェネレーター付きパネルも用意。両面テープで取り付けることができるお手軽パーツだが、高い整流効果を得ることが可能だ。

GTウイングは、専用設計となる2枚羽カーボン仕様のタイプ03GTだ。デモカーに装着されているのは全幅1700mmの競技用で、1500mm幅の車検対応モデルも用意されている。

タイヤ/ホイールは純正比1インチダウンの18インチで、現在は前後265/35-18のポテンザRE12-Dでテスト中。トラクションの向上を狙って前後のサイズを極端に変えると車体側の制御が介入してくるため、サーキットアタック用の最終的な仕様を決め込むにはしばらく検証の時間が必要とのこと。なお、M&MはリーガマスターEVOIIの販売代理店を務めている。

足回りはM&Mオリジナル仕様で作られた車高調を軸にセットアップ。ピロアッパーマウントとHARDRACE製のロアキャンバーアジャスターを組み込んで、アライメントのセッティング幅を広げているのもポイントだ。
ブレーキはフロントがAPレーシングの6ポットキャリパー+軽量2ピースローター(355mm)、リアが330mmビッグローターという構成だ。

前後バンパーには牽引用のストラップを装着。ドレスアップパーツ的な印象も受けるが、内部は高強度のブラケットによりバンパービームにガッチリ固定されている。カラーは赤、黄色の2色を設定。

サーキット派のユーザーが多いM&Mだからこそのパーツが、このシートベルトブラケット。材質はステンレス製で、台座部分の肉厚は6mmとなる。

純正の制御系統との親和性も踏まえつつ、足回りやブレーキなどトータルバランスに優れたマシンメイクが進められているFL5。今後の進化が非常に楽しみな1台だ。
●取材協力:M&Mホンダ 福岡県太宰府市国分1丁目18-8 TEL:092-923-1955
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