「これが世界最先端のGT-Rチューニングだ!」アメリカ・テキサスで開催された『GT-Rフェスティバル』独占取材 Part.2

世界中のGT-Rファンがテキサスに集結!

2024年11月15日〜17日の3日間、アメリカのテキサス州にあるサーキット、テキサス・モータープレックスで開催された「GT-RフェスティバルUSA」。これまでオーストラリアのシドニーで開催されてきた「GT-Rフェスティバル」が、第二世代スカイラインGT-Rブームで盛り上がるアメリカに満を持して進出し、初の北米イベントを開催した格好だ。テキサスは「TX2K」というドラッグレースの一大イベントが開催されるでも知られ、そこで花形として注目を浴びるのがR35型のGT-R。全米におけるGT-R文化の震源地と言っても過言ではなく、25年ルールを過ぎた第二世代スカイラインGT-Rの数も指数関数的に増え続けている。「アメリカでGT-Rオンリーのイベントを開いて果たして何台集まるのだろう?」という外野の予想をあっさりと裏切られ、大いに盛り上がったイベントの様子を3回に渡ってレポートしていこう。

3000馬力のモンスターGT-Rを捕獲!

パート1でもレポートした、地元テキサスのT1レース・ディベロップメント製作のR35をもう一台。こちらは、近年オーストラリアやアメリカで流行しているRoll Racing(ロールレーシング)最速を目指してチューンナップされたモンスターだ。ロールレーシングとはローリングスタートとドラッグレースを融合したストリートレース派生のモータースポーツで、当然ながら停止状態からスタートするドラッグレースよりもタイムと最高速が速く、60-130mph(96.5-209.2km/h)などの中間加速をいかに縮められるかがポイント。

このR35は4.3L化したVR38DETTにメタノール燃料を使った18インジェクション、ドライサンプ、ShepTransのステージ6トランスアクスルなどを使用し、3000hpを実現! 地元テキサスで開催されているドラッグレースイベントTX2Kにおけるロールレーシングのトラックレコード237.55mph(382.29km/h)を獲得し、60-130mph(96.5-209.2km/h)加速はわずか1.95秒と驚異的な速さを実現している。

女性ドライバーが駆るゼロヨン7秒台マシン

かわいらしいキャラクターが描かれたR35は、地元テキサスにあるジョーテック・モータースポーツのマシン。オーナーは代表の奥さんでもあるルナ・トランさんで、TX2Kなどでは改造範囲を限定したDCTクラスに参戦。最速タイムは7秒台と激っぱや。GT-Rフェスティバルはルナさん以外の女性ドライバーも数多く参加していたのが印象的だった。

HKSの名物デモカーT-002とBNR34を展示!

HKSはブースを設けてR33とR34のデモカーを展示。ジャパニーズ・ブランドの雄として存在感を放った。R33はステップ0、ステップ1、ステップ2の3段階が用意される2.8Lアップグレードキットのステップ2を実施したRB28を搭載。小型軽量タービンのGTIII-5Rで過給される。Vカムシステムやフューエルデリバリー、サスペンションのHIPERMAXなども装着。

R34も2.8L化したエンジンを搭載し、HKS GTシリーズで最大サイズを誇るGT75115_BBをトップマウント。NISMOのインテークコレクターやアメリカでも人気の高いマインズのチタンタワーバーも備わり、正統派のジャパニーズ・チューンとアメリカっぽいクラフトワークが融合した美しさをアピールした。

アメリカにもいたぞVR32!

こちらは、はるばるカリフォルニアから遠征してきたオリジナルオートのR32スカイラインGT-R。

エンジンはVR38DETTに換装され、ツインターボをフロントマウント。ドラッグレース用トルコンATのパワーグライドを使い、R33のトランスファーケースと組み合わせることでAWD化している。NOSによるドーピングも行い、最高出力は1319hp。この日も8.55秒の好タイムをマークした。

オーストラリアのR32レースカーをオマージュ

フロリダ州在住のアメリカ人、ジョシュア・レイさんが所有するR32のカラーリングは、オーストラリアのGT選手権であるATCCに参戦していたチャンピオンマシンがモチーフ。エンジンはNittoのストローカーキットで2.8L化され、HKSのカムシャフト、PRPのカムカバー、ハイパーチューンの電子制御スロットルなどを装備。さらにギャレットのG40-1150はARTECのターボマニホールドでマウントされ、ハルテックのエリート2500で制御するなど、日米豪のパーツがふんだんに採用されている。

PHOTO:Akio HIRANO/TEXT:Hideo KOBAYASHI
Part.3へ続く

「アクティブのドライカーボンRが本場のゼロヨンに挑む!」アメリカ・テキサスで開催された『GT-Rフェスティバル』独占取材 Part.1

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