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ビレットハウジング採用の美麗エンジンルーム!
東京オートサロンのトーヨータイヤブースに展示されたND型ロードスター。トップドリフターとして名を馳せるマッド・マイク選手の息子、リンカーン・ウィデットさんのために新規で製作されたドリフトマシンだ。

弱冠16歳の若武者が駆るモンスターマシン

年齢はまだ16歳ながら、ドリフトの腕前はすでにプロ級のリンカーン・ウィデットさん。6ローターのNDロードスター(厳密には左ハンドルのMX5ミアータ)は、まず2024年11月に岡山で開催されたマツダファンフェスタでシェイクダウンされ、ギャラリーの前でロータリーサウンドを奏でた。東京オートサロン2025ではドリフトマシンらしい新たなカラーリングを纏って登場した。


エンジンは、オーストラリアのビレットプロというメーカーが製造するビレットハウジングを使用した6ローター仕様。排気量が3900ccとなることから、エンジン型式は「R39B」と表現されている。それにホリンジャーの6速シーケンシャルミッションを組み合わせるが、ミッショントンネルを切開するような大工事を行うことなく、NDのエンジンルーム内に美しくインストールされている。


アルミビレット製ハウジングは軽量化できる効果だけでなく、放熱性も高いことからエンジンのクーリング効果も期待できるとのこと。フロントヘビーとなる前後重量配分を改善するため、PWR製ラジエターはリヤに装着。フロントバンパーからチラリと見えるのはオイルクーラーだ。

ラジウムエンジニアリング製の燃料タンクも、シートの真後ろに搭載。燃料系の取り回しにはアメリカのダイムPSI製テフロンホースとフィッティングが採用され、見た目を綺麗に整える効果も発揮している。エンジンを制御するECUはハルテックR5を使用し、自然吸気で最高出力800psを実現する。

エクステリアにはパンデムのワイドボディキットを装着し、ワイド&ローなドリフトスタンスを確立。サスペンションにワイズファブのアームキットを導入することで、ドリフトに最適化したジオメトリーとステアリングアングルも実現させている。

タイヤは非対称パターン採用のハイグリップタイヤ、トーヨープロクセスR888Rの中でも、特にドリフトに特化したチューニングが施されているプロクセスR888Rドリフトを装着。6ローターが生み出すエネルギーを余すところなく生かすグリップ性能と共に、コントローラブルな旋回性能も両立させる。


今のところD1グランプリやフォーミュラDなどの競技会に参戦する予定はないとのこと。まずはお客さんとの距離が近いローカルなイベントなどでデモランを披露できればと考えているそうだ。そのロータリーサウンドが鳴り響く機会が多く訪れることを期待してやまない。