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JZエンジンでは味わえないフィーリングを追求
当時感を追求したエクステリアも注目だ!
1JZ搭載車の登場でチューニングベースとして花開いたマークⅡ3兄弟。その前の世代、71系となるとややチャンチャ系の乗るクルマというのが当時のイメージだったかもしれない。そんなGX71(チェイサー)をベースに、オールラウンドで楽しめるドリ車を作り上げたのが小川さんだ。

「そもそも購入した14年前は、ドリフトなんて考えていなかったんです。NAのATだったこともあり、自分で6スロを作ってみたり、街乗りとイベント仕様として乗っていた感じですね」。

6スロ化を経験した後、次のステップとしてドリフト向きのターボ化を選択。その際、NAエンジンベースでのボルトオンではなく、ターボモデルの1G-GTをベースとし2.4Lへと排気量アップも行なっている。
というのも、免許取り立ての頃からシルビアでドリフトをしていたという小川さん。1Gは非力で2.0Lの排気量のままでは、シルビアのような走りができそうにないと感じていたのだという。そこで、出力・トルクの向上策としてHKS製の2.4L化キット(通称2G仕様)を選んだのだ。

そのエンジンがブローしてしまったため、現在はストックしていた2.0Lエンジンをオーバーホールして搭載。制御系は1JZ純正ECUにeマネージアルティメイト(サブコン)を追加し、名門“トップフューエル”でセッティングを行なっている。
「エンジンなどは自分で組んでいますが、キモのセッティングに関してはトップフューエルさんにお願いしています。現在はカム交換した2.0Lですが、それでも360psまで絞り出せました。これならドリフトもソコソコ出来ちゃいます」。

タービンはHKS TD04Eをベースにハイフロー化、ハウジングをSタイプに変更して吸気性能を高めている。今後、新規で2.4Lエンジンを組み直した際には改めてハウジングの選択をしてからセッティングを取り直す予定だ。

安定した点火を実現するのため、デスビから1JZのクランク角センサーに変更。ダイレクトイグニッションも1JZ用を組み合わせることで、高回転まで不安なく回せる仕様へとアップデートされた。

当時風のイメージを大切にして、エアロパーツはシンプルな造形でワンオフメイド。リヤディフューザーは当時のリアウイング逆付けをヒントに、GTウイングを下付けして現代的なエッセンスを追加している。

自作のフロントリップを組み合わせるだけでなく、フロントバンパーは後期モデルをチョイス。71系チェイサーは前後期でバンパーサイズが異なるため、より長く大きく長く見せるための組み合わせを選んでいる。

リヤには前期純正のビッグバンパーをセットし、その下に付くディフューザーも自作パーツだ。また、ワンオフのマフラーはヤンチャな2本出しのロングテールをセットしている。

ロールケージや追加メーターなど、ドリフト走行を充実させる装備を搭載。追加メーターはダッシュボード上に並べるのが嫌だったため、ミラーマウントのステーを製作している。

現在はパーツ待ちで暫定の仕様ながら、リセッティングで想像以上の出力を発揮させることに成功した感覚だという。そして完全体でもある2.4Lエンジンを、近日改めて組み直すのでその仕上がりがさらに楽しみになってきたようだ。安易なJZエンジン載せ換えだけが、オールドトヨタの楽しみ方ではない。このGX71チェイサーには、そんな熱い漢の心意気が詰め込まれている。
●取材協力:トップフューエル 三重県松阪市中道町500-1 TEL:0598-56-5880/ストリーム 三重県津市久居森町1732−4 TEL:059-252-8686
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