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2002年仕様に続いて2006年仕様を展示!
ユーラスの元祖張り出しスタイルここにあり
ドリフト界のレジェンド、“のむけん”こと野村謙氏が経営するバラエティショップ“URAS”は、4ドアのR34スカイラインを東京オートサロンに持ち込んだ。2006年に、熊久保信重選手とD1GPのシリーズランキング争いを繰り広げ、惜しくも1ポイント差の2位に敗れたシーズンを戦った伝説のマシンだ。

昨年は、同じR34スカイラインでもD1GP2002仕様のレプリカを出展したユーラスだったが「D1で乗ってて、一番か二番かってくらい思い入れのあるカラーが、2002年仕様と、今年の2006年仕様やね! ポンコツのまま10年以上ほったらかしてたけど、ちょこっとずつ直して去年のR34祭りで乗ったら、涙で前が見えんとなるくらい懐かしかった! それでオートサロンにも持ってきたくなったばい!」とは、のむけん。

ちなみに、のむけんがD1GP参戦中に乗り継いだER34スカイラインは3台存在する。その内、この個体はブリッツのワークス体制のもと、2002年から2010年の第6戦エビス南でクラッシュするまで戦い続けた最も愛着のあるボディだ。

ハコ替えのきっかけとなったクラッシュは車体を曲げるほどの衝撃で、フロアにはその傷跡が今でも残っている。のむけん自身も、クラッシュ後は2年ほど腰や首の痛みに悩まされるほどだったという。

当初、デカール類は2010年仕様の状態だったが、修復計画が進む過程で、デザインを依頼していた鈴木学氏が当時のデータを保管していたことが判明、見事に2006年当時仕様が再現された。

リフレッシュに伴って、エンジンはRB26改2.8L仕様からデモラン用の2JZ-GTEへ変更。タービンはブリッツのK5-660Rシングル仕様でセットアップされた。

ホイールはブリッツのテクノスピードZ2の18インチを履く。リヤタイヤは、参戦時のダンロップディレッツァDZ101から現行モデルのZ3へ。D1GPで勝利するためのタイヤとしてZ1が開発されるきっかけとなり、“のむけんモデル”としてスタースペックという名前が作られたという秘話も、このマシンが紡いだ歴史のひとつだ。

後に“張り出しエアロ”というブームをドリフト業界へもたらした、元祖張り出しスタイルのD1スペック2のエアロキットでエクステリアを構築する。

ファンのみならず、当時のD1GPを知る者ならば誰もが立ち止まって感慨にふけってしまうブリッツスカイラインの雄姿。業界関係者へのインパクトも大きく、東京オートサロン2025の会期中には、当時この車両に関わっていた関係者がひっきりなしに訪れ、のむけんと思い出話に花を咲かせていた。
●取材協力:ユーラス 福岡県大野城市仲畑2-11-17 TEL:092-558-4111
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