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まずは30馬力アップのブーストアップ仕様からテスト!

目指すは200km/h巡行できる箱車!?
「職人御用達のバンで最高速!?」と驚くかもしれないが、この6型ハイエース(GDH206V)は、全方位きっちりと手が入れられた正真正銘のチューンドカー。手掛けたのは、北海道の名門チューナー“ライズアップ”だ。

「実はハイエースに関する問い合わせってすごく多いんです。で、試しにECUチューンを行なってみたところ、予想以上にパワーが出たんですよ。これなら200km/h巡行も夢じゃないと思って、本格的なブーストアップ仕様を作ってみました」と語るのはライズアップの工藤代表。

ちなみに、ハイエースの4気筒ディーゼルターボは、2.8Lの排気量を持ちながらもパンチ力は今ひとつ。さらに、スピードリミッターも160km/h付近に設定されているため、このリミッターを引き上げつつ綿密なECUプログラムによるブーストアップと燃料増量で、ノーマル+30psの180ps&40kgmを実測で引き出している。


狭いボンネット内には、ライズアップによるワンオフメイドの大容量インタークーラーを装備。エキゾーストマフラーはガナドール製に変更て、車検対応の範囲内で排気効率を限界まで高めている。

タイヤはCタイヤ(商用車用規格)のヨコハマ・パラダ(FR215/60R17C)をセット。お世辞にもハイグリップとは言い難く、さらにサスペンションの選択肢が限られてしまうのもハイエースという車両のキャラクターゆえ。また、北海道のニーズに合わせて4WDモデルをベースとしているため、重量面でのハンデも大きい。ダンパーはKYB製のエクステージをセレクト。

城里テストセンターで行なった最高速アタックでは、前面投影面積の大きさや4WDの駆動抵抗などがマイナスに作用し、173.2km/hで頭打ちという結果に終わった。

ドライバーを務めたターザン山田は「エンジンは綺麗に回っていたし、パワー感も十分にあった。ただ、160km/hを超えた辺りから伸びなくなったから、やっぱり空気の壁を切り裂くくらいのパワーが必要なんだろうね。多くの人が仕事で使っている実用バンで最高速に挑むっていう発想はとても面白いから、チューニングを進めてぜひとも200km/hオーバーを実現してもらいたいね」と評価。

この結果を受けて、製作者のライズアップ工藤代表は「地元で行なったテストでは180km/h台を記録していたので、今回はもう少し記録が伸びると思っていたんですが…。ただ、ノーマルは150km/hくらいで頭打ちになっていたから、プラス30psのパワーアップは十分に効いているのかなと。次はハイフロータービンを組んで、200km/hの大台突破を目指します!」と語ってくれた。

まだまだ発展途上中とはいえ、ハイエースがバンクを疾走するその姿は圧巻の一言。常識に捉われないチャレンジは、チューニングの面白さや奥深さを教えてくれているようだ。
●取材協力:ガレージライズアップ 北海道札幌市北区篠路町上篠路12 TEL:011-775-1155
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