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HKS GATE SPEC車高調のGRヤリス用が完成!
GRカローラ用のアイテムも鋭意開発中
東京ベイエリアで積極的にチューニング&カスタムをプロデュースしている“A PITオートバックス東雲”。ライトチューンからハードチューンまで幅広く対応できる体制を整えているが、そんな中でも力を入れているのが足回りのセッティングに深い造詣を持つレーシングドライバーの木下みつひろ選手をアドバイザーに招いて開発を進めるサスペンションキット『HKS GATE SPEC』だ。
目指したのは「ノーマルの延長線上にある究極のストリートサスペンション」。これは長年レースやチューニングに関わってきた木下選手にとっても理想であり、具体的にはノーマル以上の乗り心地とスポーツ性能を高コストパフォーマンスで実現するのが目標だったという。
セッティングは、一般的なチューニングサスペンションが“硬いバネと減衰力が弱めのダンパー”を組み合わせているのに対し、GATE SPEC車高調は“柔らかいバネ(F7.0kg/mm R6.0kg/mm)に高減衰力のダンパー”を組み合わせるという真逆のアプローチとしているのが大きな特徴。HKSハイパーマックスSをベースとしながらも、内部のピストン/シム構成やガス圧などを独自のノウハウに従って変更している。

「GRヤリスのノーマルサスは良く考えられていて、前後ともにスムーズにストロークを始めるんだけど、途中でバンプタッチして動きが硬くなる。時にはバンプタッチしたところでタイヤがスライドしてしまうし、乗り心地にも影響を与えたり跳ねたりする原因になってしまうんですよね。そこで、ゲートスペックではダンパーの減衰力を高めて挙動を穏やかになるように制御。4輪の接地性をアップして舵角を切り足すような場合にも対応できるようにしています」とは木下選手。
タイヤの接地性を高めたことによって不要なABSの介入も避けることができ、タイヤのグリップをフルに発揮させることができる。ダンパーの減衰力ダイヤルがフルに使えるのも拘りのひとつで、ソフト方向に振ればストリートで扱いやすくて疲れない特性、最も締めればハイグリップラジアルでサーキットを楽しく走れる特性になるようにセッティングされているそうだ。

このHKSゲートスペック車高調は、2025年4月から発売開始になったばかりのニューアイテムにもかかわらず、すでに同店では多くのオーダーが集まっているとのこと。「減衰力を調整するだけで普段使いからサーキットまで楽しめる足回りに仕上がりました。高性能アライメントテスターも導入していますので、装着作業についても安心してお任せ下さい」とは同店の小野さん。


パワーチューニングも抜かりなく、エンジン本体はHKSのマスタリーECU+パワーエディターRでブーストアップを敢行。自社でローラー式シャシダイとダイナパックを備え、ECUチューンのエキスパートが常駐するA PITオートバックス東雲はこうした本格的なECUチューンも得意分野だ。


吸排気系は、HKSコールドエアインテーク・フルキットやインタークーラーキットで吸気温度を抑制しつつ、メタルキャタライザー+ハイパワースペックL2マフラーにて排気効率をアップ。サーキットの連続周回に備えて、オイルクーラーも追加している。

インテリアはノーマル然とした仕上がりだ。運転席はホールド性能が高く十分な剛性を備えたフルバケットシート、レカロRMS2600Aに交換済みだ。

ちなみに、現時点でGRヤリス用のGATE SPEC車高調は前期型のみの設定となっているが、マイナーチェンジ後モデル用も追加予定とのこと。さらには、兄貴分にあたるGRカローラ用も開発を進めているそうなので、リリースに期待したい。
●取材協力:A PIT AUTOBACS SHINONOME 東京都江東区東雲2-7-20 TEL:03-3528-0357
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