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ジェントルな見た目に460馬力の強心臓を秘める!
低中回転域からトルクフルな特性を実現
今回紹介するマシンは、若い頃はプライベートチューンのAE86を駆ってストリートを楽しんでいたという“テッちゃん”さんのGVB。結婚後、家族を最優先にクルマ遊びを封印。子供達が成長したことで通勤に使っているキャロルワークスを少しずつ弄り出していたところ、思い掛けない転機が訪れた。

「免許を取得した息子がGVBのスペックCに乗りたいというので、知り合いのクルマ屋に探してもらっていたんですね。コレって思う車両が出てこなくて諦めた息子がBRZを買ったタイミングで、限定モデルのtSが中古市場に出てきた。もともとスバル車が大好きだったこともあって、それならオレが乗る! と即買い(笑) フルノーマルでしたがスポーツカーはチューニングしてこそ楽しいという考えですから、4ドアセダンの実用性に配慮しながら足回りやマフラーなど自分で換えていきました」。
ただ、プライベートではECUセッティングまでこなせないため、電子制御化が進んだEJ20の本領は引き出せない。そこで、名門“オリジナルランデュース”を訪れて、ECUノーマルでバランスが崩れていたブーストアップ仕様のセッティングを依頼する。

「ECUチューンでフィーリングが激変しましたし、そうなればブーストアップの先が気になるのも当然ですよね。チューニングは次に何をしよう…と考えている時間も楽しいので、小遣いを貯めてGTIII-RSにタービン交換しました。ただ、低中回転で街中を流しているとチューンド感が物足りない。ちょうどヘタってきたクラッチを交換するタイミングだったこともあり、こうなりゃ排気量アップするしかない…と、2.2L化に踏み切りました」。

排気量アップで増加したトルクの頼もしさで、低中回転域から刺激ある速さを発揮し、中高回転を得意とするGTIII-RSの魅力も強調する460ps&58kgmを実現。ウイングレスでアダルトな雰囲気が漂うtSと相まって、羊の皮を被った狼的なチューンドが誕生した。

ストリートでの乗り心地とハンドリングの頼もしさを求めて、車高調にはオーリンズDFVを選択。マフラー交換のみのライトチューン時代から愛用しているお気に入りのフットワークだ。

セダンの足元といえばBBS LMと考えていたが、GVBに最適なサイズが設定されていなかったため、落ち着いた機能美が楽しめるボルクレーシングCE28SLをチョイス。

シンプルさを貫く外観から一転、ズラリと並ぶ追加メーターでレーシーさを強く放つインパネ周り。コンディション管理はもちろん、ドライブしている際にチューンドらしさを味わうためのスパイスでもある。

乗降性は多少犠牲になるが、ストリートでもホールド性の向上が身体の負担を軽減してくれるためフルバケを投入。助手席も赤のレカロでフロントシートを統一し、フロントガラス越しの見映えも整えた。

サーキットでの速さは追求していないが、純粋に走りの痛快さを求めて辿り着いた2.2L×GTⅢ-RSのEJ20チューン。回転域を問わずに楽しめる速さの打ち出しこそ、GVBがより輝くメニューに違いない。
●取材協力:オリジナルランデュース 岡山県倉敷市三田118-1 TEL:086-464-0606
【関連リンク】
オリジナルランデュース
http://www.runduce.com