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3ドアレビンはもはや身体の一部!
AE86を乗り継ぐ生粋のハチロクフリーク!
タイトルを目にした読者の大半は、「あぁ、新車ワンオーナーの取材ね」と思うだろう。でも、そうじゃない。オーナーのNさんはこの40年、3台のハチロクを乗り継いできた。それも3ドアレビンばかりを、だ。
振り返れば、各メーカーに魅力的なスポーティカーが多数ラインナップされていた1980年代半ば、他に選択肢があったにも関わらず同型車を何台も乗り替えてきたオーナーは、新車から乗り続けるオーナーと同じかそれ以上に、“筋金入り”なんじゃないかと思う。これはあくまでも個人的な感覚だけど、だからこそ取材対象として興味を持ったのは本当だ。

「昔、弟の仲間でラリーやってた連中が多くてさ。みんな3ドアレビンに乗ってるわけ。ラリーにはトラブルやクラッシュが付きモノだから、自分が3ドアレビンに乗ってれば、いざって時に部品取りとして使えるだろと思ってね」と、購入に至った経緯をNさんが説明する。
1台目は1985年に新車で購入した。マイナーチェンジ直後だったため、ディーラーの知り合いに頼んで前期型を安く買おうと思っていたら、すでに在庫がなく断念。そこで買ったのが後期型GTVだった。それに4年乗った後、2台目として手に入れたのが後期型GTアペックスだ。
「これはあんまり程度が良くなかったな。ルーフ以外のパネルが全て鈑金されてて。あちこちパテ盛りだらけだったし」と笑いながらNさんが振り返る。

今、乗るのは3台目となる後期型GTアペックス。1995年に購入したというから、今年でちょうど30年になる。「2台目のフロントガラスが割れちゃって直そうかどうしようか考えている時、当時の仕事仲間が、“3ドアレビンを廃車にしたいんだけど、処分料が掛かるんだよなぁ…”って言うんで、だったらオレが買うよ!!って、安く譲ってもらったんさ」。
いくらで購入したかは敢えて伏せるが、一つ言えるのは、今の中古車価格相場の何十分の一ということ。しかも、リヤゲートが再塗装されているだけで修復歴なしという、間違いなくお宝レベルの個体だ。

エンジンはフルノーマル。エアクリーナーボックスまで純正というのが珍しい。走行17万kmだが、ディストリビューターにエンジンオイルが回って交換した以外、これまで大きなトラブルはない。また、アッパーコアサポート中央に5桁の数字が刻印されているのがラインオフしたままの状態=無交換の証だ。

フロントの足回りはカートリッジ式のまま、GAB製AE92用ショートストロークダンパーを流用して車高調化。左リヤフェンダーアーチやリヤゲート後端には軽く錆が浮いてるけど、下回りに目立った腐食は見られない。修復歴なしということを含めて程度極上の1台と言っていい。

ステアリングホイールは画像のMOMO製を始め、3種類を使い分け。シフトノブはGTアペックス純正革巻きだが、普段は樹脂製のGTV純正を使っている。「撮影があるから、こっちの方が良いだろと思って」とNさん。

運転席はレカロSR-Ⅱに交換され、MSGアクティブのBピラーバーやシートレールバーなどでボディ剛性アップも図られる。

Nさんが言う。「昔はファーストカーとして通勤にも買い物にも乗ってたけど、最近はひと月に一回動かすくらい。さすがに40年も乗ってると、ハチロクのフィーリングがすっかり身体に染み付いちゃってるよね」。
20代で乗り始め60代となった現在まで、常に生活の一部として3ドアレビンが存在したNさんは最後にこう言った。「今時は自動運転とかあるけど、クラッチペダルを踏めるうちはコレに乗り続けたいね」。
⚫︎取材協力:MSGアクティブ 群馬県藤岡市中栗須34-4 TEL:0274-22-6755
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