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CBYの最新パーツの実力を検証するテストカー任務も兼任!
5.5A-Gに300度/296カムを合わせた超ハイコムハイコンプ仕様!
もともと鈑金ショップだったCBY(クリスタルボディ横浜)だが、代表の小田さんの好きが高じて、独学で4A-Gのチューニングを開始。トライ&エラーを繰り返す内に、壊れにくくてパワーのあるエンジン作りのノウハウが貯まり、鈑金やボディカスタマイズ技術と相まってAE86のサーキットメイクを得意とするショップとしての地位を確立したという経緯を持つ。

その象徴が、小田さん自身が30年以上手を入れ続けてきたこのAE86。見た目こそサーキット仕様だが、ナンバー取得済みの合法公認車両。普段乗りと走行会、どちらもこなす実戦マシンだ。

最新の仕様では、ベースを4A-Gブロックからハイトの高い7Aブロックへ変更。CBYの新作83φ鍛造ピストンと15.4mmロングコンロッドを組み合わせ、排気量は従来どおり1795ccをキープしながらも、コンロッド角度を最適化。結果、フリクション低減と耐久性の両立を実現。
ピストンには、300度/12.2mmリフトのCBYハイカムに対応するリセス加工を追加。ストローク83mmのCBY製5Aクランクも最新型に変更され、カウンターウェイトの重量バランスを見直すことで、クランクジャーナルへの摩耗を均一化。抜かりはない。
まだパワーチェックや厳密なバルタイ調整、燃調調整は行なっていないが、狙い通りのエンジンが完成すれば、従来のパワーチェックで記録した220psを超えてくる可能性が高い。

冷却系は、DRLのR34用オイルクーラー&ラジエターを斜めマウント。専用の導風板で走行風を強制的に当てる構造とし、オイル・水温ともに安定を狙う。

点火・燃調制御はLINK G4Xモンスーン。ハイカム&高圧縮にも関わらず、アイドリングは安定、吹け上がりもスムーズ。制御系の完成度も高い。

ミッションはアルテッツァ用J160の6速。CBY製のベルハウジングで4A-Gに対応させ、さらに1・2速をクロス化したCBYオリジナルのギアセットを組み込む。コーナーに合わせて選べる理想的なギヤ比が魅力だ。


内装は、走りに不要なものを全撤去したピュアなサーキット仕様。補強はスポット増しとロールケージ、バックミラーはセンターモニター式。

足元には、RSワタナベのフォージングRをセット。CBYの刻印が入った特注モデルで、9.5J(5.8kg)/10J(6.0kg)という軽量さに加え、F3用ブレンボキャリパーが収まる設計も魅力。高剛性な鍛造ホイールの性能を最大限に引き出している。

小田さんがこのAE86を手に入れたのは、30年以上前。当時はサンデーレースに出場し、間瀬サーキットなどで上位常連だった。走って、壊して、直して、また走る――その繰り返しの中で生まれたこのマシンには、小田の経験と哲学が詰まっている。
技術と走りの両輪が揃っているからこそ可能な、高戦闘力チューンド。これは、CBYというショップの象徴であり、小田さんという職人の“生きた履歴書”だ。
⚫︎取材協力:クリスタルボディ横浜 神奈川県横浜市旭区南本宿町121-10 TEL:045-352-3397
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クリスタルボディ横浜
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