目次
エンジンからボディまで全てをリメイク!
ハイスペックな最新制御でAE86が変わる!
エンジンからボディまで、徹底的に見直された一本筋の通ったハチロク。製作を手がけたのは、世界に名を轟かせるAE86専門店“テックアート”。
この車両は、長年乗り続けてきたオーナーの「一生モノに仕上げたい」という想いを具現化した、ストリート最上級の1台だ。


エンジン腰下は7Aブロックにテックアートのスペシャルクランク、コンドロッド、鍛造ピストン(ボア82φ)を組み合わせ1805cc化、ヘッドは後期型5バルブ&4連スロットルにIN/EX296度(9.8mmリフト)の組み合わせ。各部のバランス取りなども精密に行っている。ちなみに、究極のパワーを狙うならAE92後期型の16バルブが有利だが、ストリート重視ならVVT付き5バルブのトルク感が扱いやすいという判断だ。


シャーシからエンジンまで、完全なリフレッシュ&アップデートを受けたこの車両だが、その中でも特に注目したいのが、MoTeCと周辺機器を組み合わせて完全に作り直されたという制御&電気系統。
エンジン周りの制御や保護には、最新モデルのM130を使用。ノーマルではリレー&ヒューズで展開される各部の電気的なコントロールは、連携するPDM30ですべて行われる。そのために配線類はイチから引き直され、リレー&ヒューズも撤去。このPDMによるスイッチングはエンジンスタートスイッチなど、発想次第でいろいろな応用も可能だし、旧車のトラブル要因筆頭である電気系統をリフレッシュできるメリットは大きい。




コクピットのメイキングも抜かりない。純正のアナログ/デジタルメーターはすべて撤去し、ビルトインされたのは12インチのカラー液晶「C1212」。任意の位置に情報を表示できる自由度に加え、専用ソフトを使えばオリジナルデザインのメーター画面も構築可能。本格的なロガー機能も搭載できるこのモデル、実は世界で初めてC1212を搭載したAE86として記録されている。


その他、内装はブリッドのストラディアIIIを中心に、全面をブリッド素材で張り替え。グローブボックス内にはMoTeCのユニットがすっきりと収まり、ダッシュにはレザーのカバーを追加。スマートで無駄のない仕上がりだ。

一方の足回りは、基本に立ち返ってまずブッシュ類を全交換。ダンパーはテックアート×アラゴスタのオリジナルを組み、前後ブレーキにはエンドレスの4ポット(S13ローター)を投入。補強系も抜かりなく、トルクブラケットや強化スタビもセットアップされている。

足元には、レイズ・ボルクレーシングTE37V(8J±0)にアドバンネオバAD09(195/50R15)を装着。トレッドの安定感とバネ下の軽さが走りを支えている。

高剛性のボディ、リフレッシュされたシャシー、最新制御で躍動するトルクフルなエンジン。すべてが高次元で噛み合ったこの一台は、もはや“旧車”という枠を超えた存在。オーナーの情熱が注ぎ込まれた、唯一無二のAE86がここにある。
●取材協力:テックアート TEL:048-994-2081
【関連リンク】
テックアート
http://www.tecarts.com/