「息子に感化されて1000馬力のS15シルビアを作っちゃった!?」ストリート仕様でドライサンプ化まで実施!

究極を求めて辿り着いた1000馬力のストリートスペック

チューンドRを乗り継いだオーナーを満足させる刺激的な走り!

1GPをはじめとするドリフト競技で一世を風靡している2JZ搭載マシン。高い剛性と、低中速域での豊かなトルクが魅力だ。さらに、強化パーツが豊富に流通している点も、チューナーたちに支持される理由の一つだろう。

ただし、それなりのコストがかかることもあってか、ナンバー付きのストリート仕様で見かける機会は少ないのが実情だ。そんな中、注目すべき一台がある。ジュリアスが製作したS15シルビアである。

搭載された心臓部は、3.4L化された2JZエンジン。そこに巨大なG40-900タービンが組み合わされ、最高出力は実に1000ps。さらに、ドライサンプ化も施されているというのだから驚きだ。

「息子がシルビアでD1ライツに出場しているんです。人生は一度きり。負けていられないと思ったのが製作のきっかけでした」。そう語るのは、オーナーのOさん。

ドライサンプシステムの導入により、2JZ改ユニットは低くマウントされており、ロスパフォーマンス製のヘッドカバーが只者ではない雰囲気を醸し出す。その内部には、RSE製の280度ハイカムを組み込み、インナーシム化も施されている。

このドライサンプ化により、低重心化と安定したオイル供給を実現。また、E85レース燃料の使用も想定されており、燃料ホースにはテフロン製を採用。さらにリターンレス仕様とすることで、燃料の温度上昇を抑制している。

オーナーが唯一望んだのは、「GCG製G40-900タービンを全開で回したい」ということ。それ以外の仕様やパーツ選定は、すべてジュリアスの塙代表に一任された。レブリミットは7600rpm、最大ブースト圧2.0kg時には1000psを発揮する。

冷却系にも手が入っており、コアサポートをカットしてラジエーターを前方にマウント。エアコンコンデンサーを撤去することで、ようやく2JZエンジンが収まった。とはいえ、電動エアコンが装着されているため、真夏のドライブでも快適性は確保されている。ウォータースプレーで冷却を試みるも、水温は依然としてシビアとのこと。今後は、ラジエター交換による冷却効率の向上が予定されている。

エンジンマネージメントはLINK製のフルコンピュータで行い、スロットルは電子制御化。リニアな吹け上がりを実現している。電動エアコンやパワステを搭載しているため、電力の安定供給を図ってオルタネーターも270Aの大容量タイプにアップグレードしているのもポイントだ。

コクピットはロールバーで補強され、シンプルにまとめられている。車重は1300kg台に抑えられており、「SR20仕様のS15に乗ったことがないので重量バランスの違いは分かりませんが、ノーズの入りはすごく良いですね」とOさんは語る。

メーターにはLINKのディスプレイモニターを採用し、車速、水温、油温などの情報をリアルタイムで確認可能。ストリートでの実用性も考慮され、電動パワステや電動エアコンも搭載済みだ。

配線はすべて引き直され、PMU-16によって一元管理。これにより軽量化を実現すると同時に、電装系トラブルの早期発見・解決も可能としている。

トランスミッションはクライフ製のシーケンシャルドグ。ファイナルギアはS15スペックR純正の3.7を使用しており、「加速が途切れることはまったくない」とのこと。コンソールにはスイッチ類が整然と並べられており、美しい仕上がりが光る。

一方の足回りには、フルピロ化されたDG5車高調をセット。制動力強化も抜かりなく、フロントにはブレンボ製6ポットキャリパー&355mmローターを装備。大トルクに対応するため、リアのナックルやプロペラシャフトはGT-R用へと換装されている。

「D1マシン製作で培ったノウハウを惜しみなく注ぎ込みました。海外製の強化パーツもふんだんに使用しています。リアラジエーター化していないくらいで、ほとんど競技車両と同じ仕様です。快適装備もついていますし、もちろんフル公認も取得済みです。500psを超えると壊れやすくなるSR20をベースにフルチューンするくらいなら、JZ系を載せたほうがコストパフォーマンスも優れていますね」。そう語るのは、画像右側に写っているジュリアスの塙代表だ。

画像左側のオーナーOさんは、こう語る。「3速までホイールスピンが止まらないほどです。低回転から高回転まで怒涛の加速感ですね。いずれは富士スピードウェイのストレートで、時速300kmを目指したいです」。

快適性を持ちながら、競技車両に匹敵するほどの過激な性能を実現したこのS15シルビアは、まさに走りへの情熱と技術の結晶。1000馬力という驚異のスペックを持ちながら、ナンバー付きで公道を走ることができる、まさにリアルな“究極仕様”だ。

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⚫︎取材協力:ジュリアス 神奈川県厚木市金田471-1 TEL:046-259-9744

「やっぱりS15シルビアはシャコタンが似合う!」純正フェンダー&車高調の限界に挑戦した大作

【関連リンク】
ジュリアス
https://www.teamjulius.com

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