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改良版プロトゥーラレースを新旧比較で多角的にチェック!
袖ヶ浦フォレストレースウェイでのテストで約3秒のタイムアップを確認!
従来のダヴァンティ・プロトゥーラレースは、ネット上で「グリップ力が物足りない」といった評価が目立ち、実際にウェブオプションでターザン山田がテストした際にも「グリップが弱い」と評されるなど、サーキット走行における性能面での課題が浮き彫りになっていた。

このフィードバックを受けて、ダヴァンティでは即座に改良に着手。トレッドウェア(TW)200のまま、熱が入りやすく柔らかいコンパウンドへと変更された。また、トレッド面の接地面積を拡大するためにプロファイルを見直し、加えて内部構造においても、ナイロン層を1層から2層に強化することで、剛性アップとステアリング操作時の応答性、ハイスピード時の安定性向上を図っている。
こうした仕様変更により、価格は従来比で1割強上昇することとなったが、その代わりに、ストリートとサーキットの両方で性能を発揮するタイヤへと大きく進化を遂げている。

今回、その進化を検証すべく、旧モデルと改良版を同一条件(同日・同車両・同サーキット)で比較テスト。袖ヶ浦フォレストレースウェイにて、ドライバーは木下みつひろ氏、テスト車両は名門“シーカー”のシビックタイプR(FL5)を用いた。


テスト車両は、シーカー製のオリジナル車高調を装着したライトチューン仕様で、エンジンやエアクリーナーはノーマルのまま、マフラーとECUのみ変更されたブーストアップ仕様。最高出力は410psに達する。従来品のプロトゥーラレースでは、このパワーを受け止めきれず、常にスキール音を響かせながらの走行となった。

ホイールはエンケイ製レーシングGTC02(18インチ/9.5J+45)を前後共通で装着。テストに使用したタイヤサイズは、4輪とも265/35ZR18だ。

「旧モデルはコンパウンドが硬くて、ユーザーの声にある通りグリップは正直低めですね。ただその分、ステアリングのレスポンスは悪くなかったです。シャープな動きは出せますが、絶対的なグリップが足りず、この車のパワーを活かしきれない印象でした」と木下さん。

続けて「一方の改良版は、レベルが1つ2つ上がったという話ではなく、まるで別物。まだタイヤ温度が上がりきっていない段階でも『これ、国産ハイグリップタイヤなんじゃ?』と思うくらい食いついてくれる。空気圧を2.3キロまで落とすと接地感が増して、切り出しの応答も良くなります。ブレーキもよく効きますし、パワーをしっかり受け止めてくれる安心感もある。まさにフルモデルチェンジと言っていいくらいの変化ですね」。


「強いて弱点を挙げるとすれば、熱ダレの兆候がある点でしょうか。これは従来モデルにはなかった挙動ですが、連続周回を重ねたときに限られたもので、グリップ力と価格を考慮すれば、十分に許容できるレベルだと思います」。

テスト結果としては、旧モデルが1分18秒516だったのに対し、改良版では1分15秒359を記録。実に3秒以上のタイムアップとなった。

現在のハイグリップラジアル市場では、国産勢に迫るグリップを持ちながら、15インチで税込8290円、18インチでも税込1万1090円~という価格設定は圧倒的なアドバンテージと言える。絶対的なタイムを求めるアタック派にとってはやや物足りない面もあるが、グリップの感覚を養う練習用や、気軽に楽しめるスポーツ走行用としては非常にバランスの取れた1本に仕上がっている。コストを抑えつつ、走りの楽しさを追求したいドライバーにこそ試してもらいたい新生プロトゥーラレース。その実力を、ぜひ体感してみてほしい。
※記事内のタイヤ価格(送料・税込)は2025年6月時点のものとなります。
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