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芸術的な美しさで圧倒する!
魅せて走れる公認チューンドを多数製作!
1JZを載せたチューニングカーは珍しくない。ただ、ここまで芸術的に仕上がった1台となると話は別。神奈川県に店舗を構える“ワークス”が手がけた2台のマシンは、技術と美意識の融合を体現する存在だ。


まずはJZX100型マークII。コンセプトはあくまで“純正仕様”。目を奪うエンジンルームだが、タービンやインマニ、サージタンク、デリバリーに至るまで、全てノーマルだ。
「今ある純正パーツでも、ここまで仕上げられることを証明したかった」と語るのはワークス代表の藤ヶ崎氏。ヒューズボックスやバッテリー、ABSユニットなどの補機類は視界から排除し、各部には丁寧なフルメッキ加工を施してある。

ラジエーターはZN6(トヨタ86)用のKOYORADを加工流用。純正同等の容量を持ちながらも高さが抑えられ、バーリング加工を施したアルミパネルでクリーンに仕上げた。

純正タービンとサージタンクも、不要な突起や凹凸を取り除いたうえでメッキ処理。エキマニには風間オート製の等長レイアウト(F1仕様)を組み込み、直6サウンドを美しくチューニング。

さらにボンネット裏には鏡面パネルを貼り、逆さに映るエンジンを演出する仕掛けも用意。魅せるという意味において、これほど徹底されたエンジンルームも珍しい。


続いて紹介するのは、ZN6型トヨタ86。こちらにはワイヤータックとシェイプドベイ処理が施されたエンジンルームに、1JZユニットが鎮座する。
水平対向のFA20に比べて実質4気筒分長い直列6気筒が、驚くほど自然に収まっているが、これについては「ZN6のエンジンルームは意外に広いんです。できるだけバルクヘッド側にエンジンを寄せて搭載することで、前後重量配分はおよそ6:4になっています」とのこと。1JZ換装により車重は約70kg増えるが、快適装備付きで約1300kg程度に収まっている。

搭載された1JZには、TD06-25GタービンやKID製サージタンク、R35 GT-R純正インジェクターなどを組み合わせ、LINK製フルコンで制御。ボッシュ製の電子スロットルも導入され、実測で500ps超をマーク。ミッションにはJZXツアラー系のR154を換装。ZN6純正より全長が短いため、シフト位置は純正位置とほぼ変わらず、フロア加工も不要だったという。

ボディにはドライカーボンルーフを導入。取り外した純正ルーフは再利用され、リサイクルフェンダーとして再構築。切れ角アップ時のタイヤ干渉を回避する工夫だ。

足回りはイデアル製のエアサスとメーガン製フルアームで構成され、車高はツライチ&ベタ車高を実現。これらも全て公認取得済みだ。ホイールはワークエモーションT5Rの19インチ。エアサス用のボンベとコンプレッサーは、リヤバンパー内にスマートに収納されている。

ベース車両は純正ロールケージ付きのレーシンググレードで、スポット増し補強により高剛性化を実現。インテリアにはブリッド製シートを始め、走りに特化したパーツがフル装備され、純正メーターや快適装備もきちんと生きている。

フロア下にはLEDを仕込み、ナイトシーンでの存在感も抜群。すでにイベントではアワードを受賞しており、その完成度には一切の妥協が見られない。

ワークスはこれまでS13シルビアやBRZなど、数多くの1JZスワップを手がけてきた。もちろん、公認取得までを含めたワンストップ対応が可能。豊富な実績に裏付けられた技術力は、本物だ。
なお、ZN6に1JZを載せ、公認を取得するための費用はおよそ350〜400万円。決して安くはないが、近年高騰するツアラー系車両を考えれば、軽量かつ高剛性な86ベースのスワップ仕様はむしろ現実的な選択肢と言えるだろう。ベース車両は100万円前後で入手可能なため、新時代のスワップチューンとして注目される存在だ。
●取材協力:ワークス 神奈川県横浜市都筑区早渕2-1-16 TEL:045-590-6231
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