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単筒式ならではのスポーツ性にストリートでの快適さもプラス
速度域で特性の変わるハイスペック車高調!
タイヤと車体をつなぐサスペンションは、走行性能に大きな影響を与える重要パーツ。そのなかでも、クスコが特に力を入れて開発しているのが、車高調整式サスペンションシステムだ。

ただし、快適な乗り心地を求める人もいれば、モータースポーツでの性能を追求する人もおり、すべてのニーズを1モデルでカバーするのは不可能。そこでクスコでは、幅広いラインアップを展開し、ユーザーに最適な仕様を提供している。
クスコのサスペンションは大きく分けて「ストリートシリーズ」と「スポーツシリーズ」の2タイプ。前者はしなやかな乗り味が魅力の複筒式、後者は放熱性に優れる単筒式ダンパーを採用しており、構造から異なっている。ストリートシリーズには、車高調整方式や減衰力調整機能の異なる4タイプ、スポーツシリーズには競技専用までを含む6タイプのバリエーションが用意されている。

今回ワインディング試乗に使用したのは、新型シビックタイプR(FL5)に装着された「スポーツS」。このモデルは、ハイグリップラジアルタイヤを前提にしながら、街乗りからサーキットまで対応する快適性も持ち合わせたスポーツ仕様だ。
単筒式ダンパーのストラットには、剛性に優れる倒立タイプを採用。スプリングはダブルショットピニング加工で強度と耐へたり性を高めた専用品(フロント9kg/mm)だ。

減衰力は24段階で調整可能。アッパーマウントはフロントにキャンバー調整機能付きピロボールタイプ、リヤは強化ゴム仕様が標準装備。一部車種にはキャンバー&キャスター調整式も設定されている。

電子制御ダンパー装着車(FL5、FK8、WRX S4など)には、エラー警告灯の点灯を防ぐキャンセラーも付属。取り付け後も安心して使用できる。

また、車高調の性能を最大限引き出すには、正確なストロークができるだけのボディ剛性が重要。クスコではLSDやスタビライザーなども含めたトータルチューンが可能なのも強みだ。

さらに、オーストラリアPWR社の高性能冷却系パーツも新たにラインアップに加わり、試乗車のFL5には同社のインタークーラー&ラジエターを装着。パワー系はフジツボ製マフラーのみとシンプルながら、冷却性能を確保した仕様となっている。

足元はTWS RS339(18インチ・9.5J+48)に、ポテンザRE-71RS(265/35R18)を装着。ブレーキはウインマックスAP3パッド+クスコ製導風板で制動力と冷却性を確保している。

試乗を担当したのはターザン山田。
「流す程度の速度域ではロール感もあって乗り心地は滑らか。でも、アタックペースではまるでレーシングサスのような反応の良さがある。これ、ボディ剛性の効果も大きいね。1WAY LSDのトラクションも秀逸で、ターボFF車をまるで別モノみたいに攻められた」と語ってくれた。

価格は36万800円。ハイグリップタイヤをしっかり使い切れる応答性と、街乗りでも快適な乗り心地。この“スポーツS”は、走行スタイルに応じて表情を変える懐の深さが魅力の1本。車高調=硬いというイメージを覆す、扱いやすくも芯のあるサスペンションだ。
●問い合わせ:キャロッセ TEL:027-352-3578
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