「スバルWRXは純血のSTI以外も面白いんです!」あえてS4で速さを追求するオーナーの相棒に迫る

CVTの許容トルクを前提にしたチューニング

サーキット周回にも対応した異色のVAG!

「R31スカイラインに乗っていた若い頃からサーキットを走るのが好きだったんですよね」と語るのは、このWRX S4(VAG)のオーナー。その後は歴代ランエボを乗り継いできたが、シリーズが終了したため、次なる相棒としてVAGをセレクトした。

CVTのみの設定となるVAGを選んだのにはいくつかの理由があった。まずは、通勤や出張時の長距離移動が楽なこと。次にアイサイトの安心感。そして「クルマの技術系の仕事をしているので、CVTの悪口を言われるのが悔しくて、VAGでタイムを出してやろうって思ったんです」というモチベーションもキッカケのひとつだという。

FA20DIT本体はノーマルのまま吸排気系チューンを施し、A PITオートバックス東雲の純正ECU書き換え『DELTA BOX』で制御。最大ブースト圧は純正の1.5キロよりも敢えて下げた1.4キロとして、ピーク値を抑えることでCVTを保護しつつ、中速域の伸びを強調したセッティングで扱いやすさを引き出している。

タービンはオリエントワークス製のハイフロータイプに交換。6000rpmで頭打ちになる純正タービンに比べて、トップエンドまでパワーが追従するようになったそうだ。最高出力320ps、最大トルク44.0kgmと、CVTの許容限界とされる45kgmギリギリを狙った設定だ。

冷却チューンも抜かりなく、プローバのラジエターとオイルクーラーを装備して、エンジンでも水温と油温を徹底管理。水温は105度まで、油温は110度までに抑えることでフェイルセーフの介入を防いでいる。

「CVTフルードの適正温度は100度ほどなので、せめて110度ほどには抑えたいなと。これを超えると115度でフェイルセーフが介入し、120度に達するとシフトダウンできなくなります」とオーナー。

その対策としてA PITのCVTクーラーを導入。効果は絶大で、富士スピードウェイでアウトラップ後の2周アタックでフルード温度は110度に達するものの、その後2周のクーリングラップで85度まで下がリ、再度2周のアタックが可能になった。

ホイールはBBSのRI-A(FR8.5J+40)で、タイヤにはアドバンA052をセット。このグリップ力に合わせて、足回りには前後5kg/mmの『A PIT-COIL』を投入して純正ダンパーを活かしたレートアップとローダウンを実施する。

ブレーキは、エンドレスのチビ6キャリパーと332mmローターで強化。「減速時はCVTに掛かる負荷が大きいので、耐久性を考えてエンブレ(エンジンブレーキ)に頼ってないんです。それだけにブレーキの強化は必須ですね」とオーナー。

現在の仕様になってからはまだホームコースの富士スピードウェイを走れていないそうだが、以前の純正タービン時代のベストタイムは2分2秒094。ユーザーチューンドとしてはかなりの速さだが、戦闘力が飛躍した今、さらなるタイムアップは間違いない。オーナーが目指す「富士2分切り」は、もう目の前だ。

●取材協力:A PIT AUTOBACS SHINONOME 東京都江東区東雲2-7-20 TEL:03-3528-0357

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A PIT
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