「RX-7歴25年のファイナルアンサーは3ローター!?」ドリフトもグリップもこなす美しきFD3S

T88-33Dタービンで600馬力を発揮

筑波タイムアタックでは53秒台を目指す!

このアグレッシブなFD3Sは、全国各地から歴代ロータリー搭載車両が集結した“ロータリー魂2021“内のドリフトコンテストで4位に輝いたチューンドだ。

オーナーは、千葉県香取市に店舗を構えるボディショップ“ガレージヤマグチの山口代表。18歳の頃に始めたというドリフトのスキルは完全にエキスパート級。生粋のドリフターであり、これまでFC3SやFD3Sを何台も乗り継ぎながら、ビッグシングルターボ仕様からレース直径のペリフェラルポート仕様まで、あらゆるローターリーチューニングを試してきたという本物のロータリストだ。

そんな男が、さらなるステージへとステップアップするために選んだエンジンはコスモに搭載される3ローターの20B-REWだ。「僕は壊したことないんだけど、2ローターで500psを出すとなると消耗するし、3ローターならそれ以上のパワーを出しても余裕があると思ったんです」と、その選択理由を教えてくれた。

なお、エンジンメイクは名門“RE雨宮”が担当しており、ポート形状は耐久性重視のサイドポート拡大仕様となる。熱対策も万全で、大容量のラジエターとインタークーラーをVマウントで配置した上で、HPIのオイルクーラーも追加している。

20Bに組み合わせるタービンはトラストのT88-33D。これにブースト1.2キロをかけて推定600psを発揮させている。2ローターの13Bベースでは不可能な、低回転域からストレスなく回るトルクフルな特性がポイントだ。

ベースボディはRE雨宮がD1GPのために水面下で製作を行っていたレースカーだ。レギュレーションの変更によって日の目を見る機会がなくなった車両を譲ってもらったそうだ。エアロパーツはRE雨宮のD1ワイドボディキットで、ボンネットとフェンダーダクトはレディゴーネクストの製品を奢る。

ダッシュボード周りはRE雨宮の手によるスペシャル。同社のスーパーGT300車両を彷彿とさせる超レーシーなカーボンダッシュパネルとクロスバー付きのロールケージが印象的だ。メインメーターはAiMのデジタル式で、LINKフルコン経由で車両情報を表示させる。

競技車両と割り切っているため、リヤウインドウは軽量のアクリル製に交換。また、燃料タンクは純正を廃した上で、軽量化と重量配分の適正化を考えて安全タンクをリヤシート位置に移設している。

車高調はDG-5のレディゴーネクストモデル(F10kg/mm R8kg/mm)。切れ角アップに重要なナックルはメーカー不明とのことだか、かなりのショート仕様らしくアングルは十分なのだとか。アッパーアーム&ロアアームはRE雨宮の調整式(ワンオフ品)だ。

タイヤは前後ともヴァリノペルギア08R(F225/40-18 R265/35-18)。ホイールはフロントがボルクレーシングTE37V(9J×18-15)で、リヤはエンケイGTC01RR(11J×18+14)となっている。なお、タイムアタックでは295/35を4本通しで履き、ラジアルタイヤで試した後Sタイヤを投入して53秒台を狙っていくそう。

「年末年始は忙しくてなかなか走りに行けないんだけど、今シーズンこそはこのクルマで筑波のタイムを出したい!」と熱く語る山口代表。

これまでのベストタイムは、13Bサイドポート+TD06タービン時代の59秒(タイヤ:アドバンA050GS)。大幅に戦闘力アップを果たした現仕様なら、タイムアップは間違いないだろう。今後の展開が楽しみなチューンドだ。

●取材イベント:ロータリー魂2021
TEXT&PHOTO:Daisuke YAMAMOTO

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