「新車ワンオーナーで走行距離は驚異の3万キロ台!」BNR32 VスペックIIといつまでも・・・

走行距離は驚異の3万キロ台

生産が終わると聞いて、いわゆる“駆け込み需要”が発生するのはよくある話だ。第二世代GT-Rもボディサイズが拡大して車重も増したBCNR33の登場を前に、「買うならやっぱりBNR32だ!」と思い立った人が多かった。ここで紹介する辻岡さんもその一人だ。

生産終了の話にBNR32の購入を決意!

トヨタディーラーに勤務しているだけに、通勤や仕事で使うクルマは当然トヨタ車。しかし、入社してすぐに買った趣味グルマは、発売されたばかりのNA6CE型ユーノスロードスターだったという辻岡さん。それも車体番号3ケタの超初期モデルで、先行予約していたことで納車も早かった。それを所有しながら、ほどなくしてスポーツカーを弟と共同購入する話が持ち上がった。

「二人の収入を考えると600万円くらいまでのクルマが買える。だったら新車にしようか?って話になったんです。候補に上がったのはランチアデルタインテグラーレ、ポルシェ968CS、RX-7(FD3S)でした」と辻岡さん。

しかし、NA型ロードスターに乗っていたことから、「同じマツダはちょっとなぁ」と思い、まずRX-7が脱落。ポルシェ968CSもすでに年内分が売り切れていたことで候補から外れた。これでデルタインテグラーレに決まりかな…というところで辻岡さんは、何気なく立ち寄った日産ディーラーでBNR32がまだオーダーできることを知る。

「東京モーターショーに足を運んで次期GT-R、BCNR33のプロトタイプを見たんですけど、どうも自分にはカッコ良く思えなくて。そうこうしてたら、足を運んだ日産ディーラーの営業マンが連絡してきたんです。“Vスペックの生産がそろそろ止まりますよ”って。じゃあ新車でGT-R、いっとこうかと」。

こうして購入に至ったBNR32最終型VスペックII。ボディ色はワインレッドが希望だったが、目立っていたずらされることを心配したのと、部分的な塗装が必要になった際に色合わせが難しいという理由で、中期型から追加された“無難な”白に決めた。

スカイラインのロゴが入ったディーラーオプション品の調整式ストラットタワーバーと、東名パワードのオイルフィラーキャップ以外ノーマルのエンジンルーム。寒冷地仕様のため、バッテリーは90D26Rという大容量タイプが採用される。

また、チューニングも施されているが、その内容は非常にライトなものだ。まずエンジン本体はノーマルで、排気系のみフロントパイプとマフラーがフジツボ製に交換される。冠婚葬祭にも乗っていけるように、音量控えめなものを選んだという。

辻岡さんいわく、「バッテリー容量が大きく、ドアミラーも熱線入りになる寒冷地仕様を選びました。GT-Rではあまり見かけないサイドバイザーとかナンバーフレームも付けてます。フロアマットは純正が高かったので、カロマットを購入。あとはオーディオレス仕様にしたんですけど、スピーカーが付いてなくて…。うわっ、トヨタとは違うんだと思いましたね」とのこと。

所有してから峠やサーキット走行会によく繰り出して年間1万kmほど走ったが、仕事が忙しくなってからはコンディション維持を目的として、週末のドライブで乗るくらいだとか。そのためオドメーターが示す距離は、まだ3万8000kmに留まっていたりする。

足回りにはテインの車高調をセットして軽く車高をダウン。17インチの純正BBSに代えて装着されるのはBNR34純正ホイールで1インチアップが図られる。

ガレージ保管で直射日光の影響を最小限に抑えているだけに、ダッシュボードの傷みや退色などはほぼ皆無。メータークラスター左右のスイッチを始めとした樹脂パーツもしっかりと艶が残っている。ステアリングホイールは純正の雰囲気で小径化が図られたGT-Rマガジンオリジナル355φに、スピードメーターはニスモ製320km/hフルスケールに交換。
フロントとセットで装着されたリヤストラットタワーバー。ほとんど荷物を載せてないからかトランクルームのトリム類にも使用感は全く見られず、新車の雰囲気をそのまま残している。

「以前はパワーFC制御でブーストアップもしていました。ところが、弟がバッテリーのプラスマイナスを間違えて繋いで飛ばしてしまって…。なので、ECUは純正に戻してます。スピードリミッターも残ってますよ」。

これまで大きなトラブルはなく、オルタネーターを2回、エアコンコンプレッサーを1回交換したくらい。
「あとは2回、フロントアッパーアームも交換しました。もっとも、ここはBNR32のアキレス腱みたいなものなので、トラブルとはちょっと違うと思いますけどね」と辻岡さんは言う。

ワンオーナー車でガレージ保管、走行距離も短い最終型VスペックII。走りも置きも一本筋が通った姿に、その程度の良さがにじみ出ていた。

TEXT&PHOTO:廣嶋KEN太郎
OWNER:辻岡禎典/HGN No.0054

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