「純正シートとバケットシートでどれだけ走りが変わる!?」データロガーを使って本気で実験してみた

最新セミバケモデル“ストラディアIII”の実力やいかに!?

佐々木雅弘選手がブリッドシート仕様のGT-Rでガチアタック

スポーツ走行の必需品と言われるバケットシートだが、実際にどれほどの効果があるのだろうか。サーキットでタイムにどの程度影響してくるのか? そんな疑問を解決すべく、今回は富士スピードウェイで本格的なテストを敢行した。

車両はR35GT-Rのライトチューン仕様で、インプレッションドライバーは佐々木雅弘選手が担当。テストで使用するシートは、2021年に劇的なフルモデルチェンジを果たしたブリッドが誇るスポーツリクライニングシート『ストラディアIII』だ。

ストラディアシリーズの特徴と言えばリクライニング機構。新作となるストラディアⅢでは、レバー式からダイヤル式への変更により、従来モデル以上の高剛性を実現しつつ、普段使いにおける利便性も向上している。リクライニング量が大幅に増えている点もトピックと言えよう。

骨格となるボーンフレームからモノコックシェルまで新設計となり、剛性や強度が飛躍的に向上。フレームの耐荷重強度は200%、ねじれ強度は40%、バックレスト前突強度は15%もアップ。また、モノコックシェルはフルバケットシート『ジータIV』の構造を継承し、高いホールド性や剛性、強度を実現している。

レースの世界では、安全のためにHANSの装着が義務付けられている。最近では、タイムアタックやドリフト競技でも装着が当たり前になっているため、ストラディアIIIではベルトホールの形状を変更してHANS対応になっている。

HANS対応のベルトホールと同様に、安全性を考慮してストラディアIIIでは座面に5点式/6点式ハーネスを通すベルトホールを新設。このあたりも本格的なレースでの使用を想定した変更点と言える。

テスト内容は単純明快。純正シート装着時とストラディアIII装着時とでアタックを行い、それぞれの走りをデータロガーで検証するというものだ。

まずラップタイムは、純正シート装着時が1分52秒291、ストラディアIII装着時が1分51秒582という結果に。シート交換のみで1秒近いタイム短縮を記録したのだ。

ロガーデータを見ると、とくに差が出たのが1コーナーのブレーキングとその後の立ち上がり。赤線がストラディアIII装着時、黒線が純正シート装着時となるが、純正シートではブレーキがしっかり踏めず、車速の落ちが悪く、その後の立ち上がり加速も遅くなっていることが分かる。

シートの差について佐々木選手は「一番違いが分かるのは高速コーナーと切り返し。純正シートだと身体が振られちゃうからステアリング操作が安定しない。横Gに耐えるためにドアやセンターコンソールに足を押し付けて踏ん張っているからブレーキコントロールもしにくいんだよ」とコメント。

続けて「クッションの違いも大きい。純正シートは柔らかいせいで、例えばストレートから1コーナーに入る時など、身体がクッションに沈み込んでブレーキ踏力が安定しなくて緩んじゃうんだ。ストラディアIIIはクッションにコシがあって、ブレーキもしっかり踏める。ロガーを見ると、他のコーナーでも同様の傾向が出ているよね」とのこと。

ドライビングポジションの最適化だけでなく、ロングドライブ時の疲労軽減や軽量化にも貢献するバケットシート。車高調やマフラーなどと同様に、ファーストステップチューニングのひとつとして導入を検討してみてはいかがだろうか。

●価格
FRP製シルバーシェル(ブラック/レッド):20万3500円/FRP製シルバーシェル(グラデーションロゴ):20万9000円/スーパーアラミド製ブラックシェル(ブラック/レッド):25万8500円/スーパーアラミド製ブラックシェル(グラデーションロゴ):26万4000円

●問い合わせ:ブリッド TEL:052-668-2611

【関連リンク】
ブリッド
https://bride-jp.com/

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