「三菱GTOが好きすぎてEV化!?」エコに生まれ変わった90年代プレミアムスポーツの魔力

愛してやまないGTOを仰天ECOチューン

その可能性に惹かれてEVコンバートを実践!

茨城県つくば市に拠点を構える“アクイラ”が手がけたこのGTO(Z16A)、パッ見は純然たるチューニングカーなのだが、心臓部はV6の6G72エンジンではなくモーター…。そう、コンバートEV仕様なのである。製作は基本的に独学で、知識を得ながらコツコツ仕上げたというのだから、その情熱は生半可ではない。

免許を取得してからGTOひと筋という鷲尾さん。5年前からEV化に着手し、その道を極めるべく『アクイラ』を設立。電気自動車のコンバート事業やGTO用オリジナルパーツの開発を手掛ける。

「その可能性に魅力を感じ、色々知りたくて6年ほど前に電動化に着手しました。いわば走る実験車両のような存在です。EVにまつわる都市伝説は色々ありますが、実際に試してみないと分からないですからね」と代表の鷲尾さん。

モーターはブラシ付きDC・NetGain(50Kw)を搭載。

細部を見ていく。モーターはブラシ付きDC、正確には交流でも直流でも回せる交流整流子モーター(ユニバーサルモーター)を使用。エンジンルーム内にうまく収まらなかったこともあり、フロントメンバーを撤去して積み込んだ。モーターを冷却するためのラジエターは水平マウント化され、その作り込みはかなり本格的だ。

ハッチバック内に収められたリーフ用のバッテリー。

バッテリーは先代リーフ後期用のリチウムイオンを1.6台分ほどハッチバック内にインストール。40個のセルをまとめたものが2セット積み込まれ、フル稼働時には瞬間的に300kw、つまり400ps相当のパワーを出力する。最高回転は5500rpm、現状は常時200ps相当の仕様で走っている状態だ。

「モーターの定格出力に対して約5倍の電圧を掛けています。常用200ps相当となっていますが、モーターは瞬発力があるので、体感的には250psくらいの感覚ですね」と鷲尾さん。

給電用コネクターはバンパー下に設置されている。

給電用コネクターはバンパー下に設置される。左が急速充電用で、右が通常時の充電用だ。燃料タンクは取り払われており、当然ながらエキゾーストマフラーはなし。

コクピットには電圧や電流を確認するためのメーターを設置。自作のセンターコンソールにはアンドロイド端末がセットされ、トラックボールでのコントロールが可能だ。

ミッションはシルビア用を移植している。

ミッションはしばらく純正の4速直結だったがどうしても加速が鈍かったため、シルビア純正の71Cに変更。加速フィールは段違いで良くなったそうだ。モーターとミッションを積むために切断されたフロアトンネルが苦労の跡を感じさせる。

ブレーキはランエボX純正のブレンボキャリパー&ローターを移植。これはアクイラのオリジナルキットとして販売する予定もあるそうだから、興味あるGTO乗りは問い合わせていただきたい。

フェンダーは叩き出し加工した上で極太タイヤをインストールしている。

エクステリアはチューニングカーのそれだ。トランクやドアパネルはカーボン製に置き換えられ、フロントバンパーやボンネットはワンオフでメイキング。さらにフェンダーは叩き出し加工を施し、リヤに335/30R18の極太タイヤを収める。デフはシルビア用のR200を移植して内部にニスモの機械式LSDを組み込む。

リヤウイングはC-WESTのハンマーシャークだ。

リヤウイングは絶版のハンマーシャーク2(C-WEST製)。個性的なデザインでアピール度も満点だ。

軽量化やEV化によって車重は1530キロまで絞り込まれているが、重量物であるバッテリーを後方に積み込んでいるため、その走りは“サスセッティングが煮詰められていないポルシェ”のよう…だとか!?

コンバートEVで往年の名車を現代の環境に合わせて進化させる、そんな時代はもうすぐそこまで来ているのかもしれない。

PHOTO:金子信敏/土屋勇人 REPORT:石川大輔

【関連リンク】
アクイラ
https://www.tsukuba-aquila.co.jp/

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