「最新のR35GT-Rニスモでもイジる!」女性オーナーが駆るファインチューン仕様を捕獲

ECUやアテーサの制御を見直してさらなる速さを実現!

ノウハウを凝縮したオリジナル車高調がGT-Rの走りを変える

長年のOPTION読者なら覚えている人も少なくないだろう。かつては本誌でレポーターを務め、“935R(クミコアール)”と名付けたフルチューンBNR32でドラッグレースにも参戦していた「クミコ」を。そんな彼女が現在所有しているのが、今回紹介する2020年仕様のR35GT-Rニスモだ。

GT-Rニスモはフルノーマルでも筑波サーキットを59秒361(松田次生選手)でラップするほどのモンスターだが、この車両は“ラッシュファクトリー”の手により、さらにワンランク上の走りを実現するためのチューニングが施されている。

エンジンは吸排気を含めて完全なノーマルだが、オリジナルECUセッティングにより各種制御マップを最適化。係数1.0のダイナパック実測で、ノーマルの600psを上回る634psのパワーと88kgmのトルクを獲得している。

アップデートATTESAコントローラー(15万円)は純正ユニットの基盤を入れ換えるタイプ。最新のバージョンではオリジナルのマップ制御によって、よりサーキットを走りやすく、タイムアップが可能な仕様へと進化している。

足回りはサスペンションエンジニアの稲木さんが手がけたオリジナルのRyuダンパーを軸に構築。ダンパーはアペックスN1ベースで、スプリングはハイパコ製(F22kg/mm R14kg/mm)。大柄なR35をホンダS2000のように振り回せることを目指したという自信作だ。

ハイグリップラジアルのポテンザRE-71RSは、前後とも285/35R20サイズを装着。タイヤの性能のみを性格に評価するために、ホイールはあえてノーマルとされている点も注目したい。

室内でのトピックはオリジナルのステアリング(32万円〜)だ。ホーンボタン周辺に配置された10個のボタンが印象的だが、これは純正のステアリングスイッチ類を犠牲にせず、機能を生かせるようにするため。サイズは330φで、小径化とバックスキン化により操作性が大幅に向上することは言うまでもない。

シートは純正でレカロの専用シートが装備されるニスモだが、さらなるホールド性を求めて運転席のみレカロのRMSへと変更されている。

このチューンドの速さはかなりのもので、鈴鹿サーキットではフルノーマルのGT-Rニスモ(2020年モデル)がマークした2分15秒699を上回る2分13秒173(ドライバー:柴田優作選手)を記録したのだ。

「今回のアタックでは、これまでデモカーでやってきたことが最新のGT-Rでも有効なのかを確認するために、あえて制御の見直しとサス、タイヤ変更のみのメニューとしました。まずは目標をクリアできて一安心。今後もさらにR35のポテンシャルを引き出すメニューを開発していきますのでご期待ください」とは、ラッシュファクトリー今村さん。GT-Rオーナーは今後もその動向に注目だ。

●取材協力:ラッシュファクトリー 神奈川県伊勢原市歌川2-2-10 TEL:0463-73-5937

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ラッシュファクトリー
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