「不人気なR33型スカイラインセダンでもココまで出来る!」心臓部はRB25DETベースで700馬力!!

4ドア&NA車に700馬力のパワーユニット搭載!

マイナーなR33型スカイラインセダンを徹底チューン

チューンド中古車の販売や製作を手がける「コンプライド(旧アキュレイト)」のスタッフが、ドリフト用のお遊びマシンとして作り上げたR33型スカイラインセダンだ。

エンジンは、R33後期型のNVCS付きRB25DETがベース。腰下に東名パワードの鍛造ピストンやH断面コンロッド、RB26純正クランクを組み込んだ2.7L仕様となる。

ヘッドはレブに当たるくらいの高回転域を使うことまで想定し、可変バルタイ機構はキャンセル。ドリフトの負荷を考慮して、F-CON Vプロでの燃調を濃い目にしていることもあり、サーキットでも水温や油温は安定しているそうだ。

組み合わせるタービンは、ビッグシングルの代名詞“T51R-KAI BB”。高回転で炸裂するパワーとウエストゲートのサウンドが欲しくてこの製品をセレクトした。最高出力はブースト1.7キロ時に700ps、フルチューンGT-R並みのパフォーマンスである。

トランク内には、ドリフト時の燃料片寄りに備えてコレクタータンク&燃料ポンプ×2を設置。それらをマウントするための鉄パイプは、フロアにガッチリ溶接することでリヤセクションの剛性アップも同時に狙っている。

車高調はGPスポーツのGマスターをチョイス。ビッグパワー化に伴い、ブレーキにはエンドレス6ポットキャリパーを導入して制動力を底上げ。GT-Rフェンダーは膨らみすぎていて好みじゃないと、あえて純正の鉄フェンダーを叩き出しているのも拘りだ。

重要な切れ角は、オリジナルのショートナックルでハイアングル化を達成。ただし、R33は大幅に切れ角アップするとパワステベルトがすぐに切れてしまうため、かなり抑えた設計にしているそうだ。機械式LSDはニスモの2WAYを組んでいる。

エキゾースト環境は、限界までローダウンすることを前提に製作。フロントパイプやマフラーはできるだけフロアに沿うカタチで路面とヒットしないようにしている。

エクステリアは、セダンらしさを損ねないことをコンセプトに純正の鉄フェンダーをさりげなくワイド化。前後とも片側30mmほど叩き出す。フロントバンパーおよびヘッドライトにはGT-R(BCNR33)用を加工流用しているが、ボリューム感のあるBNスポーツ製のサイドステップとのバランスを考慮し、バンパーはリップの厚みがある後期用を選択している。サンルーフ付きも拘りのひとつだ。

一方、室内はエアコン&カーステ付きの快適仕様。センターのエアコン吹き出し口はスムージングして水温計をマウント。さらに、灰皿の位置にはブーストコントローラーを埋め込むなど一体感を徹底追求している。ちなみにミッションは純正5速だが、パワーに耐えられずよくブローするそうな…。

4ドア車だからといって利便性を求めているわけではないため、リヤシートは潔く排除。ドリフト時の追従性を高めるためにロールケージもインストール済みだ。

チューニングベースとしては超マイナーなR33スカイラインセダンのNAモデルだが、作り手のやる気次第ではGT-R以上の速さとカッコ良さを手にすることもできる。それを証明してくれるようなチューンドだ。(OPTION2 2012年10月号より)

●取材協力:コンプライド 埼玉県桶川市坂田1509-5 TEL:048-783-4011

キーワードで検索する

著者プロフィール

weboption 近影

weboption