「難関『VGT』を完全攻略」ポルシェ997ターボは絶好のチューニング素材だ!

ハイフロータービン投入で600馬力&70kgmを獲得!

4WDながら3速までホイールスピンする凶暴さ

911としては6代目、水冷モデルとしては2代目にあたる997。2004年に発売され、伝統のターボモデルも当然ラインナップされていた。

ドライサンプ方式を採用する3.6Lツインターボエンジンは基本的に先代996ターボに搭載されたものと同じだが、決定的に違うのはバリアブルジオメトリーターボ(以下、VGT)の採用だ。

これは、エキゾーストノズルに複数の可動ベーンを設けたタービン。エンジン回転数=排気ガス流量に応じてベーンの角度を可変させてノズル面積の最適化を図り、全回転域でターボチャージャー効率を向上させる。また、排気エネルギーを最大限有効に使うため、アクチュエーター(ウエストゲート)を持たないのもメカニズム面における大きな特徴だ。

そんなVGTの純正改ハイフロータービンを独自に開発したのが、愛知県の名門“アイコード”。大径インペラ―を削り出しで作り、それに合わせてコンプレッサーハウジングを加工することで実現した。

純正ECUも自社で解析。ハイフロータービンの性能を存分に引き出せるようセッティングを徹底的に煮詰めたそうだ。

ノーマルのブースト圧は通常時1.0キロ、スポーツモード選択時は10秒スクランブルで最大1.2キロまで高められるが、アイコードでは常時1.4キロに設定。そこに燃調や点火時期、バルタイなどを細かく合わせ込む。結果、パワーはノーマルの480psから、実に25%アップとなる実測600psに到達。トルクも70kgmを超える。

「こうなるとクラッチを強化は必須。4WDなのに3速でもホイールスピンするくらいパワーが出てるよ」と代表の鶴田さんは言う。

足回りはKW製車高調クラブスポーツに交換。別体式タンクを持ち、伸び側と縮み側の減衰力を個別に調整できる2ウェイタンパーにはフロント8kg/mm、リヤ12kg/mmのスプリングが組まれる。これで、ストリートからサーキットまでをカバーできる足回りの完成だ。

19インチホイールは超超ジュラルミン鍛造1ピースのBBS DURA RI-D。フロント8.5J+53、リヤ12J+51を装着する。タイヤはアドバンAD09で235/35、305/30サイズ。「911は負荷の大きいリヤホイールが歪みがち。剛性が足りないと高速域でリヤがウニュウニュした動きを見せる。ウチではスポークタイプの鍛造品をお勧めしてます」と鶴田さん。

タコメーターを中心に配した5連メーターは空冷時代から続く911伝統のレイアウト。ダッシュボード中央にはアナログ式ストップウォッチがセットされる。また、ペダル類とフットレスト、クイックシフトはアイコードオリジナルが組まれ、操作性を向上させている。

なお、911史上初の直噴が採用され、排気量を3.8Lに拡大した後期型ターボ(500ps&66.3kgm)にも同様のメニューを用意。ただし、ターボSは現状ECUのみの対応となる。

誰もが手軽に買える1台ではないが、そんな911ターボでも楽しめるチューニング。日本での輸入車チューンは意外にも身近だったりするのだ。

●取材協力:アイコード 愛知県豊田市御船町山屋敷135-2 TEL:0565-46-0727

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