「働くクルマからサーキット仕様へ!」世にも珍しいプロボックス改レーススペック

これぞサーキット快速プロボックス!

吸排気チューンの高い可能性を筑波で実証

ヴィッツワンメイクレースや東北660選手権などの耐久レースに積極参戦する宮城県“のKレーシング”が、JPSC(全日本プロボックス・サクシード選手権)用に作り上げたガチのプロボックスがこれだ。

「プロボックスが持つ特性を活かしたい」というKレーシング菊地代表の意向があって、まずエンジンに関してはNAチューンを実施。純正エアクリーナーボックスの吸気効率を高めるためワンオフでダクトを新設し、5ZIGENプロレーサーヘッダー&オリジナル男気ドルフィンテールマフラーで排気効率アップが図られる。スペシャルなパーツを一切使わず、コストパフォーマンスにも優れるから、ユーザーでも真似しやすい内容だ。

エンジン本体もECUもノーマルのお手軽な吸排気チューン仕様だが、走らせてみるとこれが速い! アクセル操作に対してレスポンスよく軽快に吹け上がるし、中高回転域でのパワーの盛り上がり方にもパンチがあるのだ。これは絶対に秘密がある…と思って菊地代表を執拗に問いただしてみたが、何か隠してる様子は本当になし。ライトチューンでエンジンのフィーリングが激変するのだから、これをやらない手はない。

その速さを実証したのが筑波JPSCオールスター戦だ。予選2位で、決勝はリバースグリッドだったため最後列からスタート。筑波では過給機勢が圧倒的に有利だろうという大方の予想に反して、10ラップレースの終盤でなんとトップに立ち、そのポジションをキープ。

「このまま優勝か!?」と思われた最終ラップの最終コーナーでボルトオンターボ仕様のトラスト号に差され、惜しくも2位となった。筑波で過給機付きマシンと互角以上に渡り合ったという事実。それこそがKレーシング号の速さを証明していると言っていい。

オリジナルパーツとしてラインナップされる『エンジントルクダンパー』(2万4840円)。エンジン横置きのFF車はアクセルオン/オフでパワートレインが前後に振れるが、それを抑制する。オリジナル『ミッショントルクダンパー』(価格4万2984円)との同時装着が効果大だ。

足回りはJIC-FLT車高調に前12kg/mm、後14kg/mmのスウィフト製スプリングをセット。サスペンションの取り付け剛性向上やスムーズなストロークを狙って、フロア周りにはオリジナル補強パーツ、男気シリーズが装着される。

中でも注目したいのは、車高ダウン時にラテラルロッドの角度を適正化(ピボット位置50mmダウン)して、リヤサスの突っ張り感を解消する『ラテラル移設ブラケット』だ。よく回るエンジンとクイックなハンドリングで、峠道をそれなりのペースで走るのが実に楽しい! ただ、ハイグリップタイヤでのサーキット走行をメインに考えた足回りセッティングらしく街乗りでは少々ハードな印象で、突き上げ感が気になるシーンもあった。

フロントリップスポイラーはトヨタモデリスタ製を装着。控えめなデザインだが、スポーティ感が確実にアップする。鮮やかなオレンジのボディに対して、フロントグリルともどもブラックアウト化することで引き締まった顔つきを演出する。

左バンパープロテクターに施されたダクト加工。純正エアクリーナーボックスに走行風をダイレクトに送り込み、吸気効率を向上させる。とくに高回転、高速域でのパワーやレスポンスを大きく改善してくれるモディファイだ。

エクステリアの注目パーツがこちら、男気『エアロミラー』(価格4万9680円)。本体はFRP製で黒ゲル仕上げ、ミラーには後続車のヘッドライトの眩しさを抑えるブルータイプが採用される。ミラー面の角度調整は手動となる。

リヤスポイラーはMJ-JAPAN製。ホイールは前15mmスペーサーを使用して7.0J×15インセット35のボルクレーシングTE37、後7.0J×15インセット42のバーディクラブP1レーシングを装着。フロントトレッドをできるだけ拡げてコーナリング性能アップを狙う。組み合わされるタイヤは、前後195/50R15サイズのポテンザRE71-Rだ。

リヤ左右の牽引フック2ヶ所とリヤパネル2ヵ所の計4ヶ所で固定されるオリジナル男気『リヤエンドバー』。2ボックスでテールゲートの開口部が大きく、リヤ周りのボディ剛性を確保しにくいプロボックスでは効果絶大なパーツと言える。

黄色いセンターマーカーがついた2本スポークのスパルコディープコーンステアリングがレーシー。ダッシュボード上には9000rpmフルスケールのシフトインジケーター付きタコメーターと水温計がセットされる。どちらもデフィ製だ。

ちなみに、Kレーシングでは走りに振ったプロサク以外にカスタム系デモカーも所有している。オーナーに対して方向性の異なる提案を行って、幅広いリクエストに応えられる体制を整えているのだ。東北エリアでプロサクを楽しみたいクルマ好きは一度足を運んでみてはいかがだろうか。

●取材協力:Kレーシング TEL:022-398-8824

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